8リッター? W16 !? クワッドターボ!
10年間で450台の予定数を無事に生産完了したヴェイロンの後を継ぐ「ブガッティ・シロン」の全容がついに明らかにされた。何はともあれ、まずは主要なスペックを紹介していこう。
ボディは2月末公開のシルエットが浮かび上がった正面からの画像から予想されたとおりヴェイロンよりわずかにサイズアップしており、全長4544×全幅2038×全高1212mmの各数値はヴェイロンの最終形にして最強のヴィテッセに比べると、それぞれ82×40×22mm大きい。ホイールベースは2711mmと1mmだけ延長された。乾燥重量はヴィテッセと同じ1995kgとされている。
エンジンは8.0リッターW16クワッドターボで変わりはないが、構成パーツはほとんどが新設計されており、最高出力はヴィテッセの1200ps(882kW)から1500ps(1103kW)へ、最大トルクは1500Nmから1600Nmへと大幅に向上。0-100km/h加速はヴィテッセの2.6秒から2.5秒未満に、最高速度は410km/hから420km/hになった。出力向上はおもに高性能タービンの採用、それに伴い25%も高められた過給圧、新たにチタンが採用された排気系などによる成果だ。加えて低回転での効率を高めるため、低回転域では4基のタービンのうち2基だけを稼働させて素早く過給を立ち上げ、約3800rpm以上で4基によるフル過給に移行する2ステージ過給とされた。なお、トランスミッションは引き続き7速のデュアルクラッチ式だ。
シャシーでは、1輪あたり最大5000Nmを伝達可能なホイールに400km/h対応のミシュラン製高性能タイヤ、フロント8ピストン+リア6ピストンのチタン製キャリパーに前後ともディスク径を20mm拡大したカーボンセラミックブレーキシステムを装着。駆動方式はフルタイム4輪駆動で、積載時や悪路走行時に地上高を上げる「リフト」、自動制御の「EBオート」、高速走行時用の「アウトバーン」、サーキットなどで運動性能を最大限に引き出す「ハンドリング」、そしてその名のとおりの「トップスピード」という5つのドライブモードから選択可能だ。
モノコックはヴェイロン同様カーボンファイバー製で、わずか8kgとはいえ重量も削減された。また、航空機で機内持ち込みが認められている44リッターまでのスーツケースを収納するラゲッジスペースが、ブガッティとしてははじめてフロントセクションに設置されている。ほかにもフルLEDヘッドライトや高解像度TFTディスプレイによるアダプティブインストゥルメント、高速データ通信機とWi-Fiによるスマートフォン接続など、ヴェイロンの初登場から11年が経過したことを実感させる最新装備が考えられる限り投入されている。
ブガッティ・シロンの正式発売は今秋の予定で、価格は240万ユーロ(2億9800万円)。生産予定数は500台とのことだが、すでに事前受注でその1/3ほどが埋まっているそうだ。
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