一般公開は4月17日より
トヨタの文化施設であるトヨタ博物館では、2015年から開館30周年に向けて常設展示のリニューアルを段階的に実施してきたが、このほど新たに「クルマ文化資料室」を、4月17日よりオープンすることになった。
トヨタ博物館は1989年4月の開館以来、自動車(実車)だけではなく国内外の自動車文化の関連資料も収集してきた。その収集数は書籍、雑誌、カタログが約20万点、その他の文化資料は約1万5,000点にのぼる。今回、この収蔵資料から「移動は文化」をテーマに約4,000点の文化資料を一堂に展示することになった。
「クルマ館」での自動車約140台による展示が自動車の「作り手(メーカー)」が紡いできた歴史であるのに対し、「クルマ文化資料室」には実物の「クルマ」が1台もない。こちらでは世に送り出された「クルマ」がどのように社会に受容され、どのようなイメージで表現されていったのか、その軌跡をたどることになる。
資料室内は約800台のミニチュアカーから構成されるタイムラインを軸として、世界初のモーターショーのポスターや、世界初のダイキャストミニチュアカーなど、多様に織りなされた自動車文化のありようが紹介される構成になっている。
展示内容は9つのゾーンに分かれており、「昔の出版物に見る乗り物文化」では約40点の錦絵や引札、うちわ絵、すごろくなどを展示。「自動車と出版物」では、世界初の自動車雑誌を筆頭に1894年から2000年頃までに創刊された自動車雑誌64冊の表紙やカタログ150冊など約300点を展示する。「自動車ポスター」では、所蔵する300点の中から世界初のモーターショーのポスターをはじめ約30点を3カ月ごとにセレクト。「カーバッジ」は世界中の自動車メーカーから約400点を展示する。一方、「カーマスコット」ではガラス工芸の名匠、ラリックが製作したガラス製カーマスコット全29種類をはじめ約180点を。そして「自動車切手」では、世界初を含む自動車をテーマにした切手約1,200点を展示する。
そして「自動車玩具・ゲーム」の展示エリアではプラモデルキット、スロットカー、ミニ四駆、ビデオゲームや世界初のダイキャストミニチュアカーおよびラジコンカーなど約640点を。「世界のライセンスプレート」では世界各国で走るクルマに取り付けられているライセンスプレートを約100点、「文学、マンガ、映画、音楽」では、クルマが重要な存在として描かれている文学、マンガ、映画、音楽を約130点を展示・紹介する。
なお、今回のリニューアルを機に本館は自動車の歴史を紹介する「クルマ館」、新館はクルマ文化資料室や企画展示室、図書室などを備えた「文化館」に名称を変更する。
トヨタは現在、未来のモビリティ社会をより豊かで楽しいものにするために「クルマをつくる会社」からモビリティに関するあらゆるサービスを提供する会社「モビリティカンパニー」への変革を目指している。トヨタ博物館は自動車産業が百年に一度の転換期を迎える今、原点に立ちかえり、モビリティの未来を考え、クルマ文化を創りあげていく存在となるべく努めていくという。
クルマ文化資料室の概要
オープン:2019年4月17日(水)
場所:トヨタ博物館 文化館2階
関連イベント
クルマ文化資料室オープン関連展示「馬なし馬車から自動車へ」
期間:2019年4月17日(水)~6月30日(日)
場所:文化館2階 企画展示室
内容:馬なし馬車として誕生した当初、好奇の目にさらされたクルマが独自の文化を醸成していく過程を実車や雑誌、ポスターなどの資料で紹介。
台数: 8台
車両:ドディオン・ブートン(1899・仏)、ロコモビル・スチーマー(1899・米)、キャデラック・モデルA(1902・米)、パナール・ルヴァッソール(1906・仏)、ルノー・タイプDJ(1913・仏)、ルノー6CV(1925・仏)、フォード モデルT(1927・米)、人力車(明治後期・日)
走行披露:「60s ライトウェイトスポーツカー」
日時:2019年5月25日(土)、6月1日(土) 1回目/11:15~、2回目/15:15~
場所:P1駐車場(無料ゾーン)
走行車両:ホンダ S800(1967・日)、トヨタ スポーツ800(1965・日)、ロータス エリート(1961・英)
※天候などの理由により、やむをえず中止、または内容が変更される場合があり。
周年謝恩Week:(入館料半額)の設定
期間: 2019年4月17日(水)~4月26日(金)
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