自動運転車の実証実験にも参画
自動運転車の普及を阻む大きな要因として「事故時の責任は誰がとるのか」と「被害の補償はどうするのか」という問題がある。リスクの高い案件だけに、自動車保険を扱う損保会社も慎重なようだが、そんななかで損保大手の損害保険ジャパン日本興亜などが自動運転時の事故トラブルへの対応を研究する拠点を開設。実証実験を始めている。
新たに開設された「コネクテッドサポートセンター」には損保ジャパンを始め、アシスタント事業を展開するプライムアシスタンス、通信関連大手のKDDI、自動運転システム開発のティアフォーなどが参画。無人運転可能なレベル4相当の自動運転車両を使用し、事故トラブルを想定してコネクテッドサポートセンターから遠隔監視による対応を実施。センターにいるオペレーターが、危険回避のため操舵介入をするケースを試みている。
この実験をもとに、複数台の自動運転車のモニターによる監視、危険なときの遠隔操作に加え、緊急通報や現場駆けつけ、代替移動手段の手配までサービスを広げていく考えだ。事故の後の補償がメインという損保会社のワクを超えて自動運転に関わっていくことになり、前例のない自動運転トラブルへの対応だけに難しい面もありそうだが、実用化に向けてこうした取り組みも必要になってくるのだろう。今後、自動運転への対応が損保会社の新たなビジネスとして発展していくことになるのか、見守っていきたい。
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