思い立ったら帯広へ
FIA(国際自動車連盟)地域選手権のひとつ、APRC(アジアパシフィックラリー選手権)の1戦である「ラリー北海道」が今年も開催されました(2018年9月14−16日)。2006年以降、ずーっと取材し続けてきたのだけど、ここ数年はイタリア選手権やヨーロッパ選手権と日程が重なって行けずにいた。2004年に同地域で日本初のWRC(世界ラリー選手権)が開催されて以降、通い続けた十勝地方は、ご飯は美味しいし、景色はいいしで、お気に入りの土地。当初は今年も行かない予定だったんだけど、なんということでしょう。仕事がキャンセルになって週末がヒマになってしまいました。折しも、北海道を襲った大地震の影響で観光客が激減。「経済的打撃が!」、なんてニュースも。ってことで、スタート前夜にバタバタと飛行機と宿を予約。取材申請なんてしてないし、機材も一眼レフに50ミリレンズとiPhoneだけ。小さいバックパックひとつで観光客気分で帯広へと向かったのでした。
お財布事情もあって成田発のLCCにしようと思ったんだけど、早起きの自信がないのと、せっかくなので北海道経済に貢献すべくエアドゥの帯広便に搭乗。連休前にも関わらず、機内はガラガラ。震災の風評って影響が大きいんですね。
90分のフライトで帯広に到着。僕と同じく、プライベートで観戦に来ている札幌在住のラリーカメラマンの大先輩に迎えにきてもらって、サービスパークへ。すると早速、懐かしい友と遭遇。
2004年の第1回ラリージャパンで初めて知りあった軍司さんと愛犬のチップに数年ぶりの再会。ちなみに2004年は僕がフリーターを卒業した記念すべき年。ラリーを観に行くためにバイトをやめました。思い切ったことしたなあ、とシミジミ。
今回は取材じゃなくて観戦なので、2,000円払ってチケットも買いました! 陸別サーキットに設定された3本のステージを観戦できます。お金を払って観戦するのって2006年以来。お忍びでやってきたつもりが、このあたりから色んな人達に発見され始めます。ちょうどお昼どきだったのでランチに向かいます。
帯広といえば「インデアン」。帯広を中心にチェーン展開しているカレー屋さんです。安くて美味くてボリュームたっぷり。帯広の人はカレーは家で作る物じゃなくて、でっかい鍋を持ってインデアンに買いに行くのだとか。オススメはインデアンルーにカツのトッピング。ラリー関係者にもファンが多く、もちろんこの日も関係者に遭遇。もはやプライベート観戦でも何でもなくなってきました。
サービスパークに戻るとラリーショーが始まっていました。ファンと選手が触れ合える時間で、サイン会や撮影会がそこかしこで始まります。「何しに来たの」と笑いながら指差してるのは、キャロッセからDS 3で参戦の川名選手。彼のヨーロッパ初遠征に付き合ったのが僕の海外ラリー取材デビューでした。横にいるのはここ数年、イタリアに遠征していて昨年のERC(ヨーロッパ選手権)でクラス優勝したアバルト使いの眞貝選手。今年から全日本にはGAZOO Racingのヴィッツで参戦中。ちょうど1年前にローマで共に嬉し涙を流した仲です。
川名選手のコドライバーのキャシー(写真左)とも再会。川名選手がERCに参戦した時、彼女はオペルのワークスチームからコドライバーとして参戦していて、なぜか僕たちと仲良くなったのでした。パリダカにも参戦したりと、こう見えてすごいフランスの女の子。
一見するとR5規定のプジョー208T16ですが、APRC独自のAP4規定に沿って制作されたマシン。ボンネットの中をこっそり覗いたら、三菱のアノ車に載ってた気がする4発ターボエンジンにそっくりなのが縦置きされてました。そう言えば、音もそこはかとなくラリーアートっぽかったなあ。ちなみに、コドライバーはGPライダーのヴァレンティーノ・ロッシがラリーに参戦する際にコンビを組んでいるカルロ・カッシーニ選手。
セレモニアルスタートのあとはSS(スペシャルステージ)1が始まるんだけど、先輩がディナーをご所望されるので早々に退散。帯広のソウルフードと言われているらしい中華ちらしを食べに市内の中華屋さん「あじ福」へ。開店と同時に入店したんだけど、あっというまに満席。しかもみんなが中華ちらしを注文。ほんとに人気なんですね。確かに美味しいので、おすすめです。
本格的な競技がスタートした9月15日の土曜日、朝4時半に帯広駅前のホテルを出発して、約1時間半ほど移動して陸別サーキットへ。早朝からたくさんのギャラリーが詰めかけていました。みんな早起きだなあ。いつもは取材なので撮影ポイント近くまでクルマでアクセスできるけど、今日は一般のギャラリーなのでシャトルバスと徒歩で移動。天気はいいけど、暑いのですでに汗だくです。
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