お買い得感ではなく、満足度で選ぶべき仕様
日本の道路事情や使用環境を鑑みれば、コンパクトミニバンが流行するのは自明の理。朝夕の送迎から通勤、一家揃ってお出かけといった日常用途では、最強のパートナーといえるだろう。
その人気ぶりの一方で、ほのぼのとしたキャラに難色を示すユーザーもいるという背景を察してか、2016年秋にデビューしたホンダ・フリードのラインナップに、ハウスチューナーのホンダアクセスが手掛けたコンプリートモデル、「フリード・モデューロX(エックス)」が加わった。
専用にあつらえられたフロントグリルをはじめ、前後エアロバンパー(フロントにLEDフォグランプ内蔵)やサイド&リアスカート、リアスポイラーといった専用フルエアロが同カテゴリーにはないスポーティな装いを演出、空力性能の向上も考慮したデザインとのこと。専用開発のサスペンションとの相乗効果か、直進安定性やハンドリング性能はミニバン特有のネガを感じさせず、それでいてある程度の快適な乗り心地は保たれていた。
搭載パワートレインは標準モデルと同じ、アトキンソンサイクルの1.5リッター直4+電気モーター(最高出力110[29.5]ps/最大トルク134[160]Nm)に7速DCTのハイブリッド、もしくは1.5リッター直4直噴(131ps/155Nm)にCVTの組み合わせなので、ドラマチックな走りとは言い難いが、必要十分な動力性能と納得できるレベルだ。※[ ]電気モーターの数値
それよりも乗員が目に手に触れるインテリアの仕立てが注目のポイントだ。インパネまわりをピアノブラック調として、ディンプル加工の本革巻きステアリングやブラック&モカのコンビシートと組み合わせて、クラスレスな上質感を与えている。
9インチ純正ナビに連動ドラレコとETC2.0車載器のパッケージも選べるなど、装備の充実ぶりも見逃せない。しかし、同レベル装備の標準車との価格差は相応レベルだから、セールスマンとの価格交渉は難航するだろう。むしろ、納車スケジュールを詰めた方が賢い消費者といえるかも。
【Specification】HONDA FREED HYBRID Modulo X Honda SENSING■全長×全幅×全高=4290×1695×1710mm■ホイールベース=2740mm■車両重量=1440kg(6名)/1460kg(7名)■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V/1469cc■最高出力=110ps(81kw)/6000rpm■最大トルク=134Nm(13.7kg-m)/5000rpm■モーター最高出力=29.5ps(22kw)/1313-2000rpm■モーター最大トルク=160Nm(16.3kg-m)/0-1313rpm■トランスミッション=7速DCT■サスペンション(F:R)=ストラット:ストラット■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク■タイヤサイズ(F:R)=185/65R15:185/65R15■車両本体価格(税込)=3,130,920円(6名)/3,152,520円(7名)
フォト&ムービー:宮門秀行 H.Miyakado
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