BMWiだけでなくSUVやミニにもピュアEVを設定
メルセデス・ベンツやポルシェに先駆けて7月初めにフォーミュラE参戦を宣言したBMWだが、市販車においても電動化を推進する姿勢を強めている。すでにBMWi3やミニEといった電気自動車(EV)の量産化を進め、プラグインハイブリッド車(PHEV)の積極投入も始めているが、ここにきてBMWグループの電動化戦略「ナンバーワン・ネクスト」において、すべてのモデルにPHEVもしくはピュアEVを投入すると明言。すでに市場投入されているBMWi3やミニのPHEV版も販売は伸びており、まずは’17年末までに電動車の累計販売200万台を目指す考えだ。
さらに’18年にはBMWi8ロードスターを追加し、’20年にはX3のピュアEVを投入。’21年には「iNEXT」と名付けられた新たなEVも投入。ミニも’19年には新たなピュアEVの生産を開始し、ガソリン、ディーゼル、PHEVに加えてEVも重要な選択肢として提供していくことになる。
すでにBMWiでは次世代EVのプラットフォームを具現化しているが、さらにピュアEVに相応しいアーキテクチャーも開発し、それに合わせて生産体制もリニューアル。ドイツ国内のディンゲルフィング工場とランドシャット工場を電動駆動システムのメイン工場として再構築し、パワートレイン生産を強化。組み立てラインもエンジン車やPHEV車と並行してEVも生産できるようにリファインしていく構えだ。
かなり大規模なリニューアルとなるが、その背景には’25年には電動化車両が売り上げの15%〜25%を占めるとするBMWの予測がある。さらに英国政府とフランス政府が内燃機関搭載車の販売禁止を発表するなど、ヨーロッパでの電動化は今後10年で大きく進む可能性が高く、さらにドイツメーカーにとって主力マーケットの中国でもEV普及が政府主導で進んでいる。そのための投資は早ければ早いほどいいと考えるのは当然であり、メルセデス・ベンツが進める電動化ブランド戦略「EQ」への対抗とも考えられる。劇的な動きで電動化ペースを早めるドイツメーカー。しばらくは目が離せない状況が続きそうだ。
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