道路を走っていると「MAERSK」や「K LINE」、「ONE」といったロゴを付けたコンテナを運んでいるトレーラーをよく見かけます。こうしたコンテナはどこの国のものなのでしょう?
「MAERSK」はデンマーク、「K LINE」は日本の川崎汽船でいずれも物流会社です。そうしたなか、最近は「ONE」というロゴを掲げたコンテナをよく見かけるようになりました。じつはこの「ONE」は、川崎汽船(K LINE)、商船三井(MOL)、日本郵船(NYK)の3社が設立したオーシャンネットワークエクスプレス(Ocean Network Express)という会社のブランドで、川崎汽船(K LINE)、商船三井(MOL)、日本郵船(NYK)のコンテナがそのままONEのコンテナとして使われている状態で、徐々にONEブランドロゴが入ったコンテナとなっていきます。
これらのコンテナはコンテナ定期船と呼ばれる船に積み込まれて、世界中を航海しています。世界的な物資の輸送は圧倒的に海上輸送がメインです。とくに四方を海に囲まれた日本ではほぼ100%が海上輸送となっています。石油や石炭、LNGや自動車などは専用船が使われていますが、そのほかの多くの物資はコンテナを使って運ばれています。海上輸送で運ばれたコンテナも最終的には陸上輸送が必要となり、私達がよく街で見かけるというわけです。
コンテナによる輸送を発想し確立したのはアメリカのマルコム・マクレーンという人で、今日コンテナ輸送が定着していることは彼の功績とされ、20世紀最大の発明とも言われるほどです。コンテナは世界的に統一された規格で作られているので、効率のいい物流が行えます。いくつかのサイズがあるコンテナですが、そのなかでも多く使われているのが20フィートと40フィートの2種類です。このコンテナを載せるための台車がコンテナシャシーと呼ばれるもので、コンテナシャシーも20フィート用と40フィート用、そして20フィート2本積みがメジャーなタイプとなります。
トレーラーシャシーは2軸と3軸の2種類があります。2軸シャシーよりも3軸シャシーのほうが重いコンテナを載せることができますが、2軸シャシーよりも3軸シャシーのほうが車両価格が高くなります。シャシーにはタイヤをリフトアップしてタイヤが接地しないようにする装置がついているものがあります。空荷で走る際などにタイヤを持ち上げることで、接地荷重を稼ぐことなどが目的ですが、それ以上に大きな効果もあります。日本の高速道路では3軸車が大型車、4軸以上が特大車という料金区分になっています。シャシーをけん引するトラクターは2軸構造です。このため2軸シャシーとの組み合わせでは合計4軸、3軸シャシーとの組み合わせでは5軸となります。そのままでは高速道路料金が特大車ですが、2軸シャシーで1軸リフト、3軸シャシーで2軸リフトを行うと合計が3軸となるため大型車料金で走行できるのです。
日本のコンテナシャシーメーカーは日本トレクス、日本フルハーフ、東邦車輛などがメジャーです。しかしながら、グローバルに目を向けると、コンテナ本体、コンテナシャシーともに中国勢が優勢で、一極集中によるカントリーリスクも存在していると言われています。
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