エンジンもプラットフォームも新開発
ポルシェといえば、「あの丸目のスポーツカー」を思い出す方が多いことだろう。だが、いまや販売台数でポルシェを支えているのは四輪駆動車のSUVたち。つまりカイエンやマカンといったクルマなわけで、その割合はなんと約70%にもおよぶ。しかしそれらの成功だって、スポーツカーとして60年以上に渡り、第一線で気を吐き続ける911という存在があってこそ。そんな911が築き上げたブランドイメージがあるがゆえに「あのカタチ」が成立するのであり、オーナーも周囲も「ポルシェだから先進的で、高級で高性能」という安心感を覚えるのだ。
さて、そんな中で登場してきたのが新型パナメーラである。この「4ドアのポルシェ」がはじめてデビューしたのは2009年で、もう7年も前のこと。日本でも街を行く姿をそれなりに見かけるから、カイエンやマカンほどではないにせよ、一般的にもだいぶ知られた存在になっているのではないだろうか。競合車はメルセデス・ベンツSクラスやBMW7シリーズ、ジャガーXJといった1000万円オーバー級のビッグサルーンだが、1台だけ飛び抜けてスポーティなので実質的にライバルは不在ということができるかもしれない。
今回デビューを飾ったのはガソリン2車種、ディーゼル1車種で、「パナメーラ・ターボ」「パナメーラ4S」「パナメーラ4Sディーゼル」がそれ。このうちガソリンモデルだけが日本に導入されるのだが、両者ともエンジンはまったくの新開発。「パナメーラ・ターボ」は4.0リッターV8ツインターボエンジンを搭載、これは先代に比べ排気量を800cc落としつつもスペックは30ps/70Nmも上回る、最高出力550 ps(404 Kw)/5750~6000rpm、最大トルク770Nm/1960~4500rpmを実現している。そして「パナメーラ4S」は2.9リッターV6ツインターボエンジンで、こちらも排気量を100ccダウンしながら440ps(324 Kw)/5650~6600rpm、550Nm/1750~5500rpmを発揮する(先代比+20ps/+30Nm)。排気量に依存することなくパワーアップを果たすことができたのは、ひとえにゼロから新開発されたエンジンだから。余すところなく最新技術を導入することができたからにほかならない。ちなみに価格はパナメーラ・ターボが2327万円、パナメーラ4Sが1591万円と発表されている(いずれも税込)。
なお“史上最速の量産ディーゼル”を唱う「パナメーラ4Sディーゼル」は、4.0リッター V8ツインターボエンジンを搭載する。こちらは422ps/850Nmを発生し、285km/hの最高速と4.5秒の0-100km/h加速タイムをマークする。こちらは同じグループのアウディ製ユニットをベースに、ポルシェが独自にチューニングを施しているとのことだ。
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