調子も上向きで今後の期待大!【BMW Team Studie代表兼監督「鈴木BOB康昭」のレーシングダイアリーvol.7 スーパーGT第6戦鈴鹿編】

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こんにちは。BMW Team StudieのBOB鈴木でございます。

コロナの影響で世界中が大揺れに揺れた2020年も、気がつけばもう10月も終わりです。開幕の遅れに遅れたSUPER-GTはその後遅れを取り戻すがごとく、怒涛の勢いで毎週の様に開催され続け、今回のFUJIMAKI GROUP SUZUKA GT300km RACEで早くも第6戦までやって参りました。
一般の方の一年は1月に始まり、12月で終わりますが、我々モータースポーツの世界の人間は開幕戦に始まり、最終戦に1年が終わる感覚ですので本当にあっと言う間に1年が終わる気が毎年、歳を重ねるごとにさらに早く感じております。さて、そんなラウンド6鈴鹿戦でございましたが、結果から申し上げると前戦の富士300km RACEのポジションから一つ上げたクラス8位でのフィニッシュとなりました。
当然まだまだ満足のいく結果ではございませんが、徐々に調子が上向きになっている手応えは大きく感じております。上位をいくライバル達のウェイトが次戦(ツインリンクもてぎ戦)では半分に、そして最終戦のFUJIではノーウェイトにはなって参りますが、非常に今からその戦いが楽しみなモチベーションでおります。それではその模様を詳しくお伝えして参ります。
予選はQ1を荒聖治が担当。30台をQ2に進出できる16台までに絞る大事な予選です。我々の参戦するGT300クラスは台数が多いので、A/Bと2つのグループに分けての出走となりますが、今回は我々の走るAグループに速いチームが集中しており、なかなか最初から激しい戦いが予想されました。
そんな中、荒聖治は丁寧に丁寧にタイヤの内圧を周を重ねるごとに上げていき、最もタイヤが良い状態になった所でタイムアタックを敢行、見事にこの激戦のAグループ15台中3番手のタイムでQ1突破を果たしました。素晴らしい!
続くQ2は1位〜16位までのグリッドを決める闘いであり、ドライバーは山口智英が担当。今年SUPER-GT初参戦となるルーキードライバーの山口には本番でないと鍛錬する事ができない事が2つございます。一つはレース中のGT500クラスをいかにタイムを落とさずに抜かさせるかという技術。これはいかにお金を積もうが、本番でないと練習出来ません。
そして、もう一つは予選時のニュータイヤでのタイムアタック。
SUPER-GTのタイヤというのは世界でも稀な非常に特殊な開発タイヤなので、そのため管理も非常に厳しく、スタートの練習をしたいからニュータイヤいっぱい下さい、みたいな事ができません。レースが始まってしまえばタイヤは6セットしか使えませんので、それを全部山口の予選練習用に使う様な事もできません。
予選だけでなく、レース中のロングラップでもできるだけたれる事なく最後まで持ってくれるタイヤを、限られた時間の中(通常1時間40分)で選別しなければならないからです。
そんな状況の中、Q2を担当した山口はテストも含めた自身のベストラップで走りましたがポジションは16台中16番手にとどまりました。練習できない以上これはもう本番で経験していくしかないので、これからの彼の最大の課題でありますが、きっと克服できると思います。
翌日の決勝日。スタートドライバーはその山口智英。ここ3戦連続で彼にスタートを担当してもらっています。これまた本番でしか経験できない事ですので……。
秋晴れの素晴らしいお天気の中レースはスタートしました。無難に1コーナーそして2コーナーとポジションキープのまま通過した直後、ヘアピンの進入で山口をブレーキングでオーバーテイクしようとしたNSXが、そのすぐ目の前を走っていたプリウスに衝突。山口はその二台に挟まれる形となりましたが、非常に巧みにこれを回避することができました。
これでポジションも一つアップ。その後もルーティンのピットインである17周目までに2つポジションを上げ、素晴らしい形で荒聖治にドライバーチェンジできました。
給油とタイヤ交換もミスなくこなし、さぁこれから前戦同様荒のオーバーテークショーで巻き返しだ! というところでコースアウトする車輌があり、セーフティカーが入ります。今回もこのセーフティカーの入るタイミングで10台以上の、まだドライバー交代を済ませていないチームが勝負権をなくしました。
GT500クラスにおいては、このタイミングでまさかの最後尾スタートであったGT-Rがトップに変わりました。幸いにも今回は珍しく(苦笑)我々にその被害は出ませんでしたが、以前のコラムで書いたとおり、これがセーフティカーではなく、FCY(フルコースイエロー)であればこんな事は起こらないので、来年は是非FCYのスタイルで他の著名なレースシリーズ同様、開催して頂きたいなと思います。
その後、荒も奮闘し、数台のライバルをオーバーテイクしていきましたが、結果は先に述べたとおりの8位フィニッシュ。ペースの悪いRC-Fにちょっと長い時間引っかかってしまったのが痛かったですね。RC-Fはストレートが速いのでなかなか抜きにくいんです。
いよいよ残すは次戦のツインリンクもてぎ戦と最終戦のFUJIを残すのみとなりました。
現状のチームの目標としましては、何としても様々な優遇のあるAシード(上位16チーム)に残る事。そして、残り2戦で何としても今期まだ一度も上がっていない表彰台に登る事の二点です。YOKOHAMAタイヤに供給して頂いているADVANタイヤもドンドンこのM6GT3にマッチする良い物をご提供頂いているので、その恩返しも含めて頑張りたいです。
と言う事でこのコラムもあと二回……と思ったらSUPER耐久もありました。
SUPER耐久の次戦はこのコラムを書いてる週末、そう今回執筆したSUPER-GT鈴鹿戦の翌週に岡山国際サーキットで開催されます。驚くほど毎週レースです。このコラムを書くサイクルもここから一気に速くなって参りますが、めげずに頑張りますっ!
毎回の文末になりますが、モータージャーナリストの先生達とは違い、国語が大嫌いだった素人の読みにくい文章に最後までお付き合い頂き誠に有難うございます。少しでも楽しんで頂ければ幸いです。それではまた

ブーーーーーーン✈

フォト=田村 弥/W.Tamura

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鈴木康昭
AUTHOR
2020/11/03 18:00

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