「高級車」はサルーンのものだけにあらず。いまはコンパクトクラスにも言え、ハッチバックやSUVでも小さいからこそ成り立つ高級感を押し出すクルマは増えている。しかし、個性が際立っているかと思えば機能や走行性能が拮抗しているなど、そのクルマ選びは悩ましい。そこでカテゴリーに分けた、購入時に悩むであろうライバルを比較し、モータージャーナリストが買うべき一台を本音で語った!まずは「BMW 1シリーズ vs メルセデス・ ベンツAクラス」のパッケージング編から
その差は僅差! 本当に良くできた2台
このクラスでは唯我独尊のFRだった1シリーズは、現行モデルでFF化されたことによって多くのライバルを抱えることになった。それも、ガチンコであろうAクラスとパッケージングや走りなどを比較すると驚くほど似ている。たとえば3シリーズ対Cクラスだったら、走りの楽しさなら前者、快適性なら後者、取り回しの良さなら後者、パッケージング(室内の広さなど)なら前者など明確な違いがあるが、それが当てはまらないのだ。身も蓋もないことを言ってしまえば、ブランドイメージやルックス、あるいはディーラー担当者の好感度などで決めてしまったってかまわないとさえ思える。
ボディサイズはAクラスのほうが全長およびホイールベースがわずかながら長い。それでも1シリーズも後席のニールーム含め、広さで負けていないのは全高が高く、乗員をアップライトに座らせているからだ。ラゲッジスペース容量では10Lながら1シリーズの勝ち。つまりAクラスのほうがルックス重視で、1シリーズはよりコンパクトにしつつパッケージングをまとめてきたということになる。ただし、最小回転半径はホイールベースが長いにもかかわらずAクラスのほうが0.7m小さいのは強みだろう。
乗り心地は両車ともやや硬めである。コンパクト・ハッチバックはチャキチャキッと元気良く走るべきという固定概念がドイツにはあるのだろうか? 同じコンパクトでもセダンや4ドアクーペではコンフォート寄りになることからも、それが推測できる。
Aクラスは、先代モデルからユーザーの若返りというメルセデス・ブランドの命題の切り込み隊長であり、それにはスポーティというキーワードがもっともわかりやすいとして推してきた経緯がある。現行モデルは新規プラットフォームによって俊敏性を高めながら、快適性も向上させるという進化が見られる。
1シリーズは初のFFとはいえ、ミニで経験を積んでやはりプラットフォームを進化させ、なおかつAクラスに負けないスポーティさを獲得している。基本性能の高さもさることながら、ARBと呼ばれるタイヤスリップを制御するシステムがFF特有のアンダーステアを発生しづらくし、なおかつイヤなトルクステアを抑制するのが効いていてハンドリングへのこだわりをみせている。これは従来のBMWのFRファンに対する回答でもある。
乗り心地は両車とも硬めながらAクラスのほうが全般的には良好。1シリーズはランフラットタイヤの硬さが街中でも感じられてしまう。ただし、サスペンションのストロークはスムーズなので、大きな凹凸を通過したときにはAクラスよりも上質でスッキリとしている。タイヤのアタリは硬いが、シャシー全般は優秀なのだ。
エンジン&トランスミッションによるドライバビリティ=運転のしやすさや気持ち良さはBMWが得意とするところで1シリーズが完璧に近いのは間違いないが、Aクラスも進化をみせていてスムーズな回転上昇などの魅力もある。
総じて、1シリーズは初のFF化とあって気合いを入れ、先に発売していたAクラスと同等かそれ以上を実現してきたとみてとれる。それでも差はそれほど大きくはないので、冒頭の通り、好みで選んで問題ないだろう。
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