その名も「ターボチャージング」。5分で100km走行分の充電が可能に
電気自動車(EV)のポルシェ・タイカンをデビューさせたポルシェAGが、充電インフラの整備にも力を入れている。タイカンは通常の高速充電もしくは普通充電に対応しているが、ガソリン補給に劣らない短時間でのエネルギーチャージを望むユーザーも少なくないことは明らかだ。
そんな要望に応えるべく、ポルシェは独自の急速充電インフラを開発。すでにアウトバーン周辺には超急速充電が可能な充電器を設置しつつあったが、ここにきてその「ポルシェ・ターボチャージング」を備えた充電施設「ラピッドチャージング・パーク」をライプチヒに開設。350kWの直流急速充電器が12基、22kWの交流充電器が4基置かれ、3月末まではタイカンを含むポルシェの電動車ユーザーは無料で利用できる。
欧州では主流のコンボシステム(CCS2)を備える電動車両であれば、もちろんポルシェ以外でも充電は可能で、急ぐユーザーなら5分で100km走行分の充電も可能。また、この充電施設はポルシェのカスタマーセンターにもつながっており、充電中にそこにあるショップを眺めたり、サーキット走行の予約などを済ませることも可能だという。
ポルシェはこの充電インフラ施設を「欧州で最も強力な充電ステーション」と謳っており、ポルシェユーザーならではのプレミアムな体験も可能としている。日本でも高速道路のSA、PAを始め急速充電設備は増えており、EVでの長距離走行もこなせるようになってきたが、充電設備がやや停めにくい場所にあったり、充電コネクターをセットしてからレストランなどの施設まで延々と歩かなければならなかったりと、利便性がいいとはいえないケースも少なくない。
今後プレミアムブランドのEVが増えてくると、このポルシェの施設のようなプレミアム感ある充電インフラも求められようになってくるはずで、自動車メーカーもそういったニーズに応えていく必要がある。コンシェルジュ常駐の充電施設があれば、重いコネクターのセットが不得手な女性でも気軽に立ち寄れるだろうし、そういった方向のサービスも考えていく時期がきているのかもしれない。
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