首位はゴルフが守り、Tロックが大幅増。SUV主導の流れが強まる
2019年は米国や中国、日本の新車販売が前年比マイナスとなったのに対し、欧州は増加傾向をキープ。年前半はマイナスに低迷していたが、9月以降は2018年がWLTP対応で販売が激減していた反動で大きく伸び、終わってみれば1.2%増の1580万5752台(乗用車のみ、欧州自動車工業会調べ)とプラスを保った。
英国に本拠を置く調査会社であるJATOがモデル別のランキングを集計しているが、それによるとフォルクスワーゲン(VW)・ゴルフがトップを固守。フルモデルチェンジ直前ゆえに前年比7.9%減と大幅減ながら、ライバルたちも元気がなく首位を守った形だ。2位のルノー・クリオ(日本名ルーテシア)も5%減でゴルフに9万台以上の差をつけられ、同じVWのポロは新車効果が薄れたことで15%近く減少。フォード・フィエスタも15%以上減らしており、上位4車の順位は2018年と変わらなかったもののやや失速気味となった。
その上位勢の落ち込みをカバーしたのがSUV勢で、VWティグアンは横ばいだったものの、ルノー・キャプチャー、ダチア・ダスターなどが増加。新型フォード・フォーカスもクロスオーバータイプのアクティブの人気もあり台数を伸ばしてランクアップし、さらにVW Tロックもデリバリーが軌道に乗ってベスト20入りを果たしている。
このあたりの小型SUVやクロスオーバーは、キャプチャー以外は日本に正規輸入されていないので馴染みはないが、欧州では買いやすく、扱いやすいクルマとして人気が高い。VWは日本にはさらに小さいTクロスを導入しているが、Tロックの上陸も予定されている。なお、ここにきてオペルが2021年からの日本再上陸を表明したが、欧州ではコルサ(旧日本名ヴィータ)が台数を伸ばした半面、2018年は21位だったアストラは25位以内には残れなかった。また、欧州ではなかなかランキング上位に出てこないプレミアムブランドだがメルセデス・ベンツAクラスが大幅増で17位に顔を出し、Cクラス24位に上がってきている。
2020年は新型となったゴルフが一気に台数を伸ばしてくるであろうし、欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した新型プジョー208の存在も見逃せない。日本の輸入車市場とはまた違った順位争いが繰り広げられることになるはずだ。奮起をうながしたいところだ。
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