2025年までに300億ユーロ(約3兆5500億円)以上を、電動化のさらなる促進を含む近未来テクノロジーの研究開発のために投資
3月18日、BMWグループは年次会計記者会見を開催し、2019年の実績を振り返るとともに、今後の事業戦略を発表した。
同グループのオリバー・ツィプセ取締役会会長はまず、新型コロナウイルスの影響への対応が万全であることを強調し、従業員の健康を保護しながら生産台数を調整することで、世界市場の需要に対する予測可能な発展に速やかに対応していく考えを示した。
2019年1〜12月の業績としては、売上高はグループ全体で前年比7.6%増となる1042億1000万ユーロ(約12兆3380億円)と、初めて1000億ユーロ超えを果たした。一方で、純利益は研究開発費などのコスト増が影響し、前年比28.9%減となる50億2200万ユーロ(約5946億円)だった。
2019年の全世界販売台数実績は、BMW4輪ブランド車が218万5793台で前年比3.3%のプラス、MINIブランド車が34万7474台で同4.6%のマイナス、ロールス・ロイス・ブランド車が5100台で同21.6%のプラス、4輪ブランド車トータルでは253万8367台で前年比2.2%増の伸びを示した。BMW2輪ブランド車は17万5162台で、5.8%のプラスだった。
2020年は、新型コロナウイルスの影響終息が依然不透明で、業績の見通しを予測することは困難であることから、各市場へのデリバリー台数のマイナスを最小限に食い止める措置を講ずるものの、今年の実績は2019年を大幅に下回ると同社は予想している。
そんななか、同社は2017年に発表された「パフォーマンス> NEXT」プログラムを推進するため、2025年までに300億ユーロ(約3兆5500億円)以上を、電動化を含む近未来テクノロジーの研究開発のために投資する考えを示した。
2021年末までにグループ全体で100万台以上のEVまたはプラグインハイブリッド車を販売する予定で、そのなかには5モデルのピュアEVが含まれている。6年連続で販売台数を伸ばしている「BMW i3」に加えて、2019年末に生産がスタートしたピュアEVの「MINIクーパーSE」、そして年内に生産が始まる新型EV「BMW iX3」、さらに2021年には新型クーペEV「BMW i4」の導入が予定されている。このほか、発表時期は未定だが、次期「7シリーズ」にはガソリン車、ディーゼル車、プラグインハイブリッド車と合わせて、新たにピュアEVを設定する予定であることが明かされた。
BMWグループは、2021年までに電気駆動モデルの需要が2019年に比べて2倍になると予想しており、2023年までに25の電気駆動モデルを販売する計画。その半数はピュアEVになるという。
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