静粛性と耐摩耗性も特徴のオールシーズンタイヤ「ミシュラン クロスクライメート シリーズ」【2020オールシーズンタイヤ・バイヤーズガイド】

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雪上でのトラクション&登坂性能も優秀

「雪でも走れる夏タイヤ」がキャッチコピーの、ミシュランのオールシーズンタイヤがクロスクライメートシリーズだ。ラインナップは14インチまでのサイズ展開となる「クロスクライメート」、15インチ以上の「クロスクライメート+(プラス)」、それとSUV向けの「クロスクライメートSUV」の3タイプで、クロスクライメート+とクロスクライメートは異なるコンパウンドを使用している。

コンパウンドに関しては、温度カバーレンジの広いものを採用することで、サマータイヤに求められる操縦性やドライおよびウエットブレーキ性能を満たしながら、雪上走行を可能にしている。

トレッドデザインはV字デザインで、タイヤセンターも独立したラグブロック(横向きのブロック)を配置することで構成されているのが特徴。また、センター部のブロックには溝そこまである深い3Dサイプが施されるとともに、切り分けたブロックエッジの面取り加工をすることで、ドライブレーキの向上に役立っているのだという。

 

ドライ&スノー性能はもちろん、静粛性とロングライフ性がウリのオールシーズンタイヤ。サイズによって「プラス」や「SUV」に分けられている。14 ~ 20インチまで全80サイズもの豊富なラインアップを誇る。

ドライ路面で試乗した印象は、まさにサマータイヤ。ミシュランのスタンダードタイヤに属するエナジーセイバーと同じ感覚で走ることができる。ノイズは極めて静粛とは言わないが、耳障りな高周波系のノイズがよく抑えられていて走らせていて騒がしさを感じない。全体にノイズを上手に抑え込んでいるように思う。

操縦性も優秀だ。直進感やそこからハンドルを切り出す時の応答がしっかり出ているので、ステアフィールがナチュラルで、普通に乗りやすい。しかもウエットブレーキ性能はエナジーセイバーと同等。冷えた気温の中で行ったウエットブレーキテストでは、クロスクライメイト+のほうが制動距離が短くなるといった場面もあった。

ライド感覚はまさにサマータイヤ。これで雪道が走れるのか? と思えるほどだが、圧雪路に足(タイヤ)を踏み入れると、サマータイヤとは比べものにならない雪上のグリップ性能が確認できた。特にトラクション性能、登坂性能はコレなら雪が降ってもなんとかその場をしのげるだろう、と感じさせるレベルにある。

ただし、そうはいってもスタッドレスタイヤのように氷雪上に特化したコンパウンドは使われていないし、ドライ路面での操縦安定性のためショルダーブロックはかなり剛性が高くなっているようなので、横方向のグリップはトラクション方向よりもだいぶ落ちる。また氷上でのブレーキは、とめどなく滑って行ってしまうような不安感にかられるサマータイヤと比べると、滑りながらもゴムが氷の路面でも摩擦力のような抵抗感を出している。そのため、制動距離は長いが止まってくれるだろうという安心感がある。

「雪も走れる夏タイヤ」は的を射たキャッチコピーだと思うが、勘違いしないで欲しいのは、雪道をグイグイ走れるわけではないということ。少なくとも安心感を損なうことなく走り切ることができるくらいの雪上性能はあるといえるだろう。

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