軽自動車クラスのボディに先進の運転支援技術やコネクテッド技術を搭載
日産自動車はこのほど、2020年代の「ニッサン インイェリジェント モビリティ」が目指す将来像を体現する電気自動車のコンセプトカー「ニッサンIMk」を公開した。なお、このコンセプトカーは10月23日に開幕(一般公開は10月25日から11月4日まで)する「第46回 東京モーターショー2019」で披露される予定だ。
ニッサンIMkは、新開発のEVプラットフォームを採用。全長3434×全幅1512×全高1644mmという軽自動車クラスのコンパクトなボディでありながら、これまでの常識を覆すEVならではの力強くスムーズな走りと驚きの静粛性を実現する革新的なシティコミューター。最新の運転支援技術やシームレスなコネクテッド機能を搭載し、ドライバーが自信を持って運転できるようサポートするだけでなくクルマでの移動をもっとワクワクした体験へと変えていく。エクステリアには、都市部の洗練された景観から日本らしい伝統的な街並みにも自然に溶け込む上質でシックなデザインを取り入れ、新しい時代の小型EVの姿を提案する。
同社でグローバルマーケティング&セールス、グローバルEV事業を担当する星野朝子副社長は、このコンセプトカーを次のように紹介している。
「『ニッサン IMk』は、EVだからこそ得られる静かでダイナミックな走りにより、快適でストレスフリーな移動の時間を楽しむことができます。シームレスな操作によってより直感的でいつでもクルマとつながっているという、今までなかった体験をお客さまにご提供します。そして、『ニッサン IMk』そのものがドライバーにとってお気に入りの空間となり、暮らしの中で、なくてはならない場所になるでしょう」
運転支援技術は、先ごろ発売された新型「スカイライン」に導入された「プロパイロット2.0」をさらに進化させた次世代版。高速道路での運転支援から主要幹線道路に利用範囲を拡大し、幅広いシーンでドライバーの運転をサポートする。また、スマートフォンを使ってクルマを自動的に駐車することができる「プロパイロット リモートパーキング」や、クルマから降りると無人の状態の「ニッサンIMk」が自ら空きスペースに駐車し、必要なときにドライバーがスマートフォンで呼ぶとドライバーの元まで迎えに来るドライバーレスバレーパーキング機能を搭載。運転経験の浅いドライバーでも、数々の運転支援機能により安全で快適なドライビングを楽しめるなど、日産の先進技術ですべてのドライバーがあらゆるシチュエーションで安心して使えるようにサポートする。
一方、電動技術に関しては、ピュアEVの「リーフ」や、エンジンで発電した電力でモーターを駆動する「e-POWER」で培ってきた技術やノウハウを生かしながらパワートレインを新開発。ニッサン IMkに採用する低重心パッケージとの組み合わせにより、EVならではの力強く上質な走りと高い静粛性、そしてこれまで体験したことのない快適なドライビングを実現。また、モーター駆動ならではのレスポンスの良いパワフルでスムーズな加速により、ストップアンドゴーや車線変更が多い街中ではもちろん、傾斜のある道を走るときなど、あらゆるシーンにおいてこれまでの軽自動車の常識を変える走りを提供する。
最新のコネクティビティ機能の搭載も、このコンセプトカーの重要な要素だ。スマートフォンと連携してドライバーを認証し、クルマに乗り込むたびにシートポジションや好みの香りなど、認証されたドライバー個人にパーソナライズされたセッティングに変更。また、ドライバーが乗り込む前にエアコンやステアリングホイールヒーター、シートヒーターなどが作動することで、乗車する人が快適な車内空間をあらかじめ作ることもできる。さらに、ドライバーのスケジュール管理ソフトともつながり、クルマが渋滞など最新の交通状況を考慮してスケジュールに間に合う出発時間をスマートフォンに通知するので、時間を無駄にしないシームレスな移動を実現しする。
目的地に到着すると、ドライバーレスバレーパーキング機能により、自動で空いているスペースを探して駐車。V2X(Vehicle to Everything)を搭載しているニッサンIMkは、駐車中でもドライバーのスケジュールや次の目的地を事前に把握することで、ドライバーの次の移動までもシームレスにサポートする。その後の移動に必要な電気を残しながら、V2H(Vehicle to Home)の機能を通して家庭やオフィス、地域社会のエネルギーマネジメントに貢献する。
また、CES2019で日産が発表した究極のコネクテッドカー体験を生み出す将来技術「Invisible-to-Visible(I2V)」も搭載。休日にはアバターとなって車内に現われた友人との会話を楽しみながら、ドライブの時間を過ごすことができる。ニッサンIMkは移動中であっても遠隔地にいる友人とつながり、充実したソーシャルライフを楽しむことができるのである。
エクステリアデザインはシンプルかつミニマル。フロントからボディサイド、そしてリヤへと滑らかに面や線が流れていくのが特徴的だ。ボディカラーには日本古来より使われている金属で、日本の文化に所縁のある「アカガネ」を採用。細部に至るまで日本のDNAを取り込んだ表現が施された。たとえばバンパーやホイール、タイヤ、テールランプ、ルーフには「水引」模様の流れの美しさにヒントを得たスリットパターンを採用し、フロントグリルやリヤコンビランプには木組みを模したような格子パターンを表現している。
インテリアはこれからの自動運転の時代に向け、運転のための空間から、快適な時間を過ごす「部屋」としての空間へ変化することを意識して開発。直線やシンプルな曲面を使って構成された空間は、クリーンでモダンな「部屋」を表現し、「アカガネ」のアクセントによってそこに上質さと艶やかさが加わっている。インスツルメントパネルは一切のスイッチを廃し、ユーザーに必要な情報はアイコニックなプリズムディスプレイの中で情報が空中に浮かび上がるかのように映し出される。そこにはインタラクティブにパーソナライズされた、ウイットに富んだ楽しいGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)がホログラムのように映し出される。また、日本家屋の縁側や障子がそうであるように、プリズムディスプレイの手前と向こう側を視覚的に連続させるデザインは奥行きや広さを感じさせ、リラックスできる楽しい空間を創り出している。
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