ITS機能の活用で安全性を筆頭とする機能が向上
トヨタは、ITS機能の活用により燃料電池バス(FCバス)「SORA」の安全性、輸送力ならびに速達・定時性を向上させたモデルを8月から販売開始する。
路線バスとして活用されるSORAは、稼働率も高く常に高い安全性が求められることから、今回新たに交差点の右折時にドライバーへの注意喚起を促す機能や、ドライバーに急病などの異常が発生した際、乗客が非常停止させられるシステムなどを搭載した。
また、公共交通手段として重要である輸送力の向上と速達・定時性の両立を目指し、バスが連続して走行する際に車両間の情報を相互に共有、信号やバス停での分断を防ぐ機能を搭載している。
今回の改良では、ITSコネクト路車間通信システム(DSSS)を搭載。路側装置と車両の通信により取得した対向車・歩行者情報、信号情報などを活用しドライバーに注意喚起を促す。主要な機能は、「右折時注意喚起」、「赤信号注意喚起」、「赤信号減速支援」、「信号待ち発進準備案内」。
さらにドライバーに急病などの異常が発生した際、ドライバー本人あるいは乗客が非常ブレーキスイッチを押すことで減速して停止するドライバー異常時対応システム(EDSS)も採用。その制御は立ち乗り・着席中、双方の乗客の安全性に配慮する路線バスに適したものとなる。また、減速開始と同時に車内の乗客には赤色フラッシャーランプと音声アナウンスで非常時であることを伝達、車外や周囲にはホーンとストップランプ、ハザードランプの点滅で異常を知らせる。
加えて、車両前方に搭載されたミリ波レーダーが進路上の先行車や障害物との衝突の危険性を検出した場合、ドライバーに警報ブザーおよびモニター画面で警告する衝突警報も採用。路線バスでは、立ち乗りの乗客やシートベルトを締めていない乗客の安全性を踏まえ、ドライバーの運転操作による衝突回避を支援する。
輸送力においては、車群を構成する車両、順序、車群長等の情報から信号やバス停での車群の分断を防ぎ、輸送力の向上と速達・定時性の両立を支援するITSコネクト車群情報提供サービスが搭載されている。
速達・定時性では専用無線で青信号の延長や赤信号の短縮を路側装置に要求。車群走行時には最後尾車両から青延長の要求を発信することで車群の分断リスクを低減するITSコネクト電波型PTPS(車群対応機能付き)を採用。車いすやベビーカー利用者の利便性を向上させる自動正着制御(オプション)も用意される。
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