カー・マガジン編集部員がこれは! と思った趣味グルマを紹介する『100万円でドロ沼に陥る!?』。今回は、当コーナーで幾度となく登場している定番モデルを取り上げます。時代のニーズとは真逆を行く、ビッグサイズの大排気量車はいかが?
ディムラー・スーパーV8とは?
1997年にデビューしたジャガーXJシリーズの4代目、X308型の最上級モデルで、スーパーチャージドの4リッターV8エンジンを搭載する。ジャガーブランドではソブリン4.0V8となる。なお前モデルのX300型に用意されていたV12はX308では用意されなかった。
当コーナー、100ドロの楽しみ方といえば、危険と知りつつも俺だったら大丈夫! と根拠があるようでない自信を持って後先考えずに飛び込むこと。またはそんな挑戦を傍から見て楽しむこと。そしてデビュー当初は高嶺の花と諦めていたクルマを手に入れることなどが挙げられる。
当時は高嶺の花と諦めていたクルマをいま手に入れる
高嶺の花シリーズで100ドロの常連と言えばジャガーXJだ。ここ最近取り上げていなったので、今回はXJシリーズの中からX308型のフラッグシップモデル、ディムラー・スーパーV8を紹介したい。XJのボディにはスタンダードとロングホイールベース(LWB)版が用意されていたが、ディムラーはLWBのみのラインナップで全長は5150mmに及ぶ。それでいながら全高は1380mmと低く抑えられているため、伸びやかで流麗なプロポーションが際立ち、このデザインだけでもスーパーV8を選ぶ理由になるほどだ。しかし当然ながら車内空間にしわ寄せが及び、同時代のSクラスや7シリーズと比べれば余裕はない、というかむしろ狭い。しかしそれは比較しての話であり、スーパーV8単体で見れば十分すぎるほどだ。有り余る実用性より、必要なスペースを確保してあとはデザインを優先する。その心意気はむしろ歓迎したい。そんなことを思うのは、次世代モデルのX350では車高が上がり、ヘッドクリアランスに余裕が出来たことで実用性は高まったが、プロポーションでは”攻め”の姿勢が弱まった。確かにXJらしさは継承されているが、独自路線を行く個性は薄まったようにさえ思える。
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