廃タイヤの発生量は100万本も減少。タイヤ不法投棄も8000トン減少
「リサイクルの優等生」といわれ、リサイクル率90%以上を誇ってきた廃タイヤ(使用済みタイヤ)だが、タイヤメーカーの団体である日本自動車タイヤ協会(JATMA)によると2018年のタイヤリサイクル率も97%と優等生ぶりを維持。2016年の91%、2017年の93%を大きく上回る結果となった。
リサイクルの内訳は主に燃料としての熱利用が65%と最も多く、次いで17%が更生タイヤなどの再生、14%が中古タイヤとしての輸出、埋め立てが1%。それでも燃料用廃タイヤは不足しており、これ以外に約9万トンが海外から輸入されているという。燃料としての廃タイヤ需要はかなり高いと見ていいだろう。
その廃タイヤ発生量は2018年だけで9600万本、103万2000トンと想像しにくいほどの量だが、前年比では100万本、2000トンも減少している。8割以上を占めるタイヤ取り替え時の発生量が減っており、同協会によるとアフターマーケットで販売されるタイヤの本数が減ったのが影響しているという。
また、廃タイヤと聞くと不法投棄の問題も頭に浮かぶが、2019年2月時点で不法集積+不法投棄の合計は2万7677トンと2018年2月と比べて8094トンも減少。10年前の2009年は約5万6000トンだったので、ほぼ半分に減っている。取り締まり等により不法投棄が減ったのか、燃料需要が高まったせいなのかわからないが、環境破壊につながる不法投棄が減ることは歓迎できる。磨耗したタイヤは走行用には使えないので破棄するしかないが大半のゴム部分は残っている。その有効活用となる廃タイヤのリサイクルが一段と進むことを望みたい。
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