「カイエン」のフル電動モデルのテストを開始し、内燃エンジンとハイブリッドモデルのさらなる開発を計画。2030年以降多様なモデル展開を
第4世代の「ポルシェ・カイエン」は、フル電動モデルとなる。最初のカモフラージュされたプロトタイプの厳しいテストプログラムは、すでに進行中だ。ポルシェは同時に、パワフルなハイブリッドモデルと内燃エンジンモデルの開発も進めている。2030年まで、そしてそれ以降も、この成功を収めているSUVは世界中で3種類のパワートレインで展開される予定だという。
ポルシェ・カイエンは、20年以上にわたり、ポルシェらしい走行性能、日常の走行での優れた快適性、オフロードにおける優れた走破性など、幅広い能力で高い評価を受けてきた一台だ。今後のカイエンは、このサクセスストーリーを継承し、モデルに装備されてきた機能をすべて引き継いでいく。
【写真5枚】ポルシェ史上最大規模のアップグレードが行われた現行の「カイエン」
ポルシェAGのCEOのオリバー・ブルーメ氏は「カイエンは常に、このセグメントのスポーツカーを定義づけてきました。2025年頃には、第4世代のエレクトリックSUVがこのセグメントのスタンダードになるでしょう。同時に、2030年代にはパワフルで効率的な内燃エンジンモデルおよびハイブリッドモデルを多数ラインナップする予定です」と語る。第3世代のカイエンにはさらなる改良が施され、第4世代のフル電動化モデルと並行して販売される予定だ。
昨年、ポルシェ史上最大規模のアップグレードが行われた現行カイエン世代は、今後、多額の技術投資によってさらに開発が進められる予定だ。開発はパワートレイン、特にポルシェが開発してツッフェンハウゼンのエンジン工場で製造している、V8エンジンの効率向上を中心に行われる。このツインターボエンジンには、将来の法規制にも対応できるよう、広範な技術的対策が施される。
SUVセグメントにおける新しい基準の確立が開発目標
ポルシェは、エレクトロモビリティに積極的に取り組んでいる。「私たちの製品戦略では、顧客の需要や世界の各地域におけるエレクトロモビリティの普及に応じて、2030年には新車の80%以上をフル電動化することが可能となるでしょう」とブルーメ氏は語っている。
ベストセラーモデルであるカイエンの第4世代の導入は、完全な新規開発モデルとして、ポルシェにおけるエレクトロモビリティの拡大に大きく寄与することを目的としている。
このフル電動化されたラグジュアリーSUVは、800Vアーキテクチャを採用した「プレミアムプラットフォームエレクトリック (PPE)」の包括的な開発をベースとし、PPEアーキテクチャの柔軟性により、高電圧システム、パワートレイン、シャシーの各分野における最新技術を統合することができるという。
「私たちは電動化の可能性を活用し、カイエンをさまざまな面、たとえば走行性能の面で、まったく新たなレベルに引き上げます」と、ポルシェAGの研究開発担当役員であるミヒャエル・シュタイナー氏は述べる。開発目標として、ポルシェの特徴である走行特性に加えて大容量で安定した充電、高効率、そして高いレベルの快適性と日常的な使いやすさが掲げられている。
数百万キロにおよぶテスト
デジタル開発とテスト、そしてヴァイザッハにある開発センターのテストコースでの最初のテスト走行を経て、カモフラージュされたフル電動カイエン初のプロトタイプがポルシェの工場を後にし、実走行テストが始まった。
「これは開発プロセスにおける最も重要なマイルストーンのひとつです」と、カイエン生産ライン担当副社長のミヒャエル・シェッツレ氏は述べる。「発売日までに、プロトタイプは気候や地形のきわめて厳しい条件のもと、世界中で数百万キロのテスト走行を完了する予定です。このようにして、私達の高い品質基準に従って、ハードウェア、ソフトウェア、そして車両のすべての機能の耐久性と信頼性を確保するのです」
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