トヨタ、マツダ、スバルがカーボンニュートラル実現に向け、電動化時代の新たなエンジン開発を発表した共同会見で見えてきたもの

脱炭素へエンジンで”共創”と”競争”へ

「資本提携強化か、まさか3社が合併か?」
トヨタ、マツダ、スバルが都内で共同記者会見を行うという案内が来た際、メディアは色めき立った。なにせ、トヨタが提唱する「マルチパスウェイ」を軸に、マツダとスバルが同じテーブルで会見するというのだから。
特に、パワートレインについては、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、EV、燃料電池車という電動化の「御三家」ならぬ「御四家」では、トヨタによる量産効果が大きいことは誰もが理解できることだ。

マツダとしては、2030年に向けて電動化を3つのフェイズに分けて、段階的に電動モデルラインアップを拡充することを明らかにしている。その上でマツダ幹部は「自社開発と、パートナーとの連携をバランスさせていく」という表現を、これまで維持してきた。ここでいうパートナーとは「トヨタ」を指す。

話をスバルに移せば、大崎社長体制になり、EVへの積極的なシフトを強調したことが記憶に新しい。スバル独自のEV開発を進めるとしても、電池やモーターなどスバル1社で量産効果を見込めるとは到底思えず、トヨタとの今後の関係についてスバル経営陣が具体的にどのような決断を示すのか注目が集まっていた。

そんな矢先の、今回の共同会見である。
筆者を含めて、多くのメディア関係者がワクワクドキドキ、会見場に入った。結果的には、良い意味で期待は裏切られた。3社が強調したのは、「共創」である。
スーパー耐久シリーズのST-Qクラスで、カーボンニュートラル燃料など次世代燃料等の開発を軸足として、メーカーそれぞれの幹部からエンジニアまで、ざっくばらんに意見を持ち合う場という意味で、定着した言葉である。

その上で、トヨタは次世代ハイブリッド時代を見据えて、カーボンニュートラル燃料に対応する新設計の小型軽量のガソリンターボエンジンを初公開。マツダは、ツインローターを使うEV発電用ユニットが外観モデルを展示。そしてマツダは、THS(トヨタハイブリッドシステム)を応用した、ドライブシャフトを持つフルタイム四駆をお披露目した。

マツダもスバルも「共創」というものの、トヨタとの直接的な関係性より、自社のオリジナリティを強調してみせた形だ。

今回の共同会見の「さらに先」にある「3社連携の道」はいまだ、不透明だ。いずれにしても、「時代が大きく変わり始めている」ことだけは、会見現場で実感できた。

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