【プロトタイプ試乗】進化したスポーツe:HEVの動的性能を体感!「ホンダ・スポーツe:HEV テクニカルワークショップ」

ホンダの次世代型ハイブリッドシステム「e:HEV」が、新型アコードにてさらに進化を遂げた。今回クローズドコースにて一足先にテストする機会に恵まれたので、その模様をお届けしよう。

環境性能と爽快感を両立するパワートレイン

初代シビックの「CVCC」や、世界初の可変バルブタイミングシステム「VTEC」など、長年〝エンジン屋〟としてパワートレインには並々ならぬこだわりを持ってきたメーカー、それがホンダだ。

そのホンダが、高まるカーボンニュートラル情勢の中、次世代のハイブリッドシステムとして開発したのが「e:HEV」だ。e:HEVは高効率なエンジンに、走行用と発電用のふたつのモーターを搭載。低速域でのEVのようなスムーズな加減速を実現しつつ、高速域ではクラッチを介してエンジンと駆動輪を直結し、より高効率での走行が可能となっている。

ホンダのアッパーミドルクラスセダンとして、今回で11代目となるアコード。エクステリアデザインは先代からよりモダンに洗練され、欧州車のような雰囲気となった。

現在、ホンダのラインナップのほとんどに装備されるe:HEVだが、そのなかでもシビック、ZR-V、そしてこの度登場する新型アコードに搭載されるものは「スポーツe:HEV」と言われ、その名の通り〝走り〟を重視した、爽快なフィーリングが特徴。今回、その新型アコードをクローズドコースでテストする機会に恵まれた。

パドルによる回生ブレーキの減速度制御が、既存の4段から6段へと向上。より細かい速度調整が可能となった。サスペンションも走行モードに合わせて減衰力を可変するタイプだ。

新型アコードに搭載されるe:HEVシステムは2L直4直噴エンジンに、新開発の並行軸配置2モーター内蔵電気式CVTを組み合わせる。これまでのCVTユニットは発電用と走行用のモーターが同軸上に配置されていたが、並行軸に変更することでスペースに余裕が生まれ、より高トルクなモーターを採用できるようになった。その効果はてきめんで、走り出しから非常にスムーズかつパワフル。

新型アコードが搭載するパワートレインのカットモデル。大きな変更点はふたつのモーターを並行軸配置とし、より高出力化を実現したこと。さらに細かい部材なども見直され、スペック向上に一役買っている。

さらに新開発の「モーションマネジメントシステム」を日本向けのホンダ車として初搭載。コーナーでの車体の姿勢を電子制御し、円滑なコーナリングを支援する。
今回のテストでは先代アコードや、シビック、ZR-Vにも試乗したが、走りの質感はやはり新型アコードが一枚上手という印象で、公道での試乗が待ち遠しくなる1日だった。

【Specification】ホンダ・アコード
■車両本体価格(税込)=4,600,000円
■全長×全幅×全高=4975×1860×1450mm
■ホイールベース=2830mm
■トレッド=前:1590、後:1615mm
■車両重量=1580kg
■エンジン形式/種類=LFD-H6/直4DOHC16V
■内径×行程=81.0×96.7mm
■総排気量=1993cc
■最高出力=147ps(108kW)/6100rpm
■最大トルク=182Nm(18.6kg-m)/4500rpm
■モーター形式/種類=H6/交流同期電動機
■モーター最高出力=184ps(135kW)/5000-8000rpm
■モーター最大トルク=335Nm(34.2kg-m)/0-2000rpm
■燃料タンク容量=48L(レギュラー)
■燃費(WLTC)=23.8km/L
■トランスミッション形式=CVT
■サスペンション形式=前:マクファーソンストラット/コイル、後:マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前:Vディスク、後:ディスク
■タイヤ(ホイール)=前後:235/45R18

問い合わせ先=本田技研工業 TEL0120-112-010

フォト=本田技研工業 ルボラン2024年5月号より転載

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