GT-Rの名に恥じぬ圧倒的な強さ!
この記事の公開日は2024年3月18日。今から34年前の今日――すなわち1990年3月18日の、日本のモータースポーツ史に残る重要な出来事をご存じであろうか? JTC(全日本ツーリングカー選手権)におけるR32スカイラインGT-Rのデビューウィン、しかもワンツーフィニッシュである。
【画像5枚】その後のレースでの姿も含めた1990年のBNR32を見る!
第一世代のGT-R同様、レースでの活躍を目的に登場しただけに、その戦闘力はいかなるものかと注目を集めていたスカイラインGT-R(BNR32)であるが、そのグループA仕様のデビュー戦となったのが、1990年3月18日に西日本サーキットで開催されたオールジャパン・ツーリングカー・300kmレース」であった。この年のJTCシリーズ第一戦であるこのレースで、BNR32は期待に違わぬ、いやそれ以上の強さを初戦から見せつけたのである。
このレースに参戦したBNR32は、カルソニックスカイライン(ゼッケン12、ドライバーは星野一義/鈴木利男)とリーボックスカイライン(ゼッケン1、ドライバーは長谷見昌弘/アンデルス・オロフソン)の2台。前日17日の予選ではカルソニックスカイラインが1分12秒093でポールポジションを獲得、リーボックスカイラインは1分12秒713でこれに続き、どちらも、3位のフォード・シエラに1秒以上の差をつけていた。
決勝では序盤、2台とも1分13~15秒台で周回し他を圧倒。カルソニックスカイラインは28周目でシエラを周回遅れとした。ドライバーチェンジ後は1分16~18秒台にペースを落としつつも、前述のようにワンツーフィニッシュ(1位:カルソニック、2位:リーボック)。しかもリーボックスカイラインは終盤ミッショントラブルを起こしつつもこの結果である。また、優勝のカルソニックスカイラインは、最終的にシエラとの差を2周にまで広げていた。
「低・中速コーナーでもどんどん踏み込める素晴らしいマシンだ」
星野一義選手はレース後、「レースに於ける名車”スカイラインGT-R”のデビュー戦ということで、何が何でも勝とうと思った。その重みはあったが、予選・決勝を通じすべてが正常だったので勝つ自信はあった。スカイラインGT-Rは高速はもちろん、低・中速コーナーでも、どんどんアクセルを踏み込める素晴らしいマシンだ」と語っている。
このシーズンはスカイラインGT-Rが全戦優勝したばかりか、この年を含めた4シーズン全てのレースで勝利を飾るという偉業を達成したのはご存じの通りである。この偉大な戦績の皮切りとなったのが、この日の一戦であった。