4ドア・スペシャリティという点では初代同様だが…
この記事の公開日は2024年3月4日。今から28年前の今日――すなわち1996年3月4日に発売された、あの名車の最後のモデルをご存じであろうか? 日産レパードの四代目である。
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ラグジュアリーなスペシャリティカーという性格こそ一貫してはいたものの、歴代レパードはそのコンセプトに若干のブレを見せ続ける車種であった。初代(1980年)はスタイリッシュな4ドアと2ドアの二本柱、二代目(1986年)はライバルのソアラをピタリと照準に入れた2ドアクーペ、三代目のレパードJ.フェリー(1992年)では打って変わって優雅さを前面に押し出した4ドア・セダン……といった具合いである。
では四代目はどのようなレパードになったのかと言えば……手っ取り早く言うと、ボディ前後のデザインを変えたセドリック/グロリアにすぎなかった。ここで言うセドリック/グロリアとはもちろんセダンではなく4ドア・ハードトップのことだが、レパードはそのプラットフォームを共有しているというだけでなく、ドアなどのボディパネルも共通のものである。
スタイリング上の最大の特徴は、赤一色のテールレンズを横一文字に配したリアエンドだ。また、その上部のトランクリッドはスポイラー状に摘まみ上げた形として、スポーティさが表現されている。一方フロントエンドは、「低くワイドに構えたダイナミックなフロントグリル、表情に鋭さと勢いを与えるヘッドランプ、これらに施したメッキ処理により、高級車としての存在感、車格感、さらに躍動感やスポーティさを表現した」とされていたが、さほど強い個性を感じさせるものではなかった。
前述の通りドライブトレインはセドリック/グロリアと共通のため、レイアウトはFR、サスペンションは前ストラット/後ろマルチリンク。エンジンもやはり共通のV6 3Lが3種類であるが、セドリック/グロリアとは違い直6ディーゼル(RD28)は設定されない。3種類のV6とは、DOHCターボのVQ30DET(最高出力270ps)、同じDOHC・ノンターボのVQ30DE(220ps)、そしてSOHCのVG30E(160ps)である。トランスミッションは、フルレンジ電子制御4速オートマチック(E-AT)のみ。
シリーズは全4グレードが基本構成
グレード構成は上から順に、まずVQ30DET搭載のXV-GとXVがあり、それぞれに電動SUPER HICAS仕様とマルチAVシステム仕様を設定。XV-GとXVの違いは、トップグレードであるXV-Gには運転席オートドライビングポジションシートと後席パワーシートが標準で装備される点などだ。この下に、VQ30DE搭載のXRと、VG30E搭載のXJが用意され、全4グレードとなる。
当時の価格はXV-G マルチAVシステム仕様が497万円、同 電動SUPER HICAS仕様が487万円、XVが395万円、XRが362万円、XJが303万円、いずれも東京・名古屋・大阪地区の金額だ(消費税含まず)。