リワ・オアシスへの道。「ポルシェ911ダカール」をレーシング・ドライバーのアムナ・アル・クバイシがドライブ

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地元・アラブ首長国連邦のモータースポーツ界のスターが、リワ・タル・モリーブ・フェスティバルを目指し、ポルシェ911ダカールで砂漠を横断

「ポルシェ911ダカール」のステアリングを握るのは、UAEの多様なモータースポーツファンのコミュニティで急成長を遂げているおなじみの顔だ。アムナ・アル・クバイシ、もうすぐ24歳になるレーシング・ドライバーは、昨年F1アカデミー選手権で2勝を挙げた首長国期待の若手で、シングルシーターレースの世界で注目すべき才能の持ち主として頭角を現している。男性優位のスポーツ界における女性として、彼女がスポーツ界で脚光を浴びるようになったのは、これほど印象的でタイムリーなことはないだろう。

しかし今日、アル・クバイシは生まれ育ったサーキットから遠く離れている。そしてつい最近まで、ポルシェのスポーツカーにとって砂丘は馴染みのない場所だった。しかし、911ダカールの特別に開発されたリフトシステムは、最高速度150km/hで191mmという驚異的な最低地上高を実現している。

GT3から採用された高剛性エンジンマウント、リアアクスルステアリング、PDCCアクティブロールスタビライゼーションと相まって、ダカールはアル・クバイシに、従来は重量のあるSUVの独壇場であった環境で、かつてない運動性能を約束する。

【写真14枚】911ダカールで、アラブ期待の星のドライバーが砂漠を爆走! 

“反応性が高いが、バランスも良い”
ラフロードのカラーリングをまとった911ダカールは、アル・クバイシの旅が夜明け前に始まった、アブダビの街角でひときわ目立つ存在だった。目的地である「リワ・オアシス (Liwa Oasis)」は約220キロ南下し、舗装された高速道路を通って行く。

「公道での911ダカールのドライビングは、とてもスムーズで速く、安定しています」とアル・クバイシは言う。「ステアリングの反応もいいし、バランスもいい。砂丘ではとても楽しかった。思いきり走ってもコントロールを失う心配がないくらい、クルマはとても安定している。これが911ダカールの初ドライブであり、リワ・フェスティバルでポルシェを運転するのも初めてでした。期待以上の体験でした」

世代を超えたポルシェのつながり
23歳の彼女が911のステアリングを握ってくつろげるのは、当然かもしれない。アル・クバイシとポルシェのつながりは、世代を超えたものなのだ。彼女が初めてモーターレースを観戦したのは、実業家およびレーシングドライバーの父親が、「ポルシェ・カレラカップ」に参戦していたときだった。しかし最近では、彼女こそがこの地域の新しい世代の若者たちにレースへの新たな関心をもたらし、大きな話題となっている。

砂漠の伝統
中東には砂漠走行の豊かな歴史があり、地域生活の重要な一部であると同時に、近年では娯楽の源でもある。この伝統の中心となっているのが、この地域の南部に位置する「エンプティ・クォーター(ルブアルハリ砂漠)」の巨大なモリーブ砂丘の影で毎年開催される、「リワ・タル・モリーブ・フェスティバル」である。ドラッグレース、モータークロス、クラシックカー競技、ドリフトなど、あらゆる種類の高性能ドライビングが、1週間にわたって披露されるのだ。

リワに向かう途中、アル・クバイシは少し回り道をして首長族の家まで行き、そこで彼女は温かく迎えられた。このような歓迎は、アル・クバイシを世界中のモータースポーツ界で活躍する女性たちにインスピレーションを与える存在へと成長させ、すでに彼女の国の誇りとなっている大きな功績を改めて認めるものだ。

アル・クバイシがようやく到着し、そびえ立つモリーブ砂丘の下に駐車すると、911ダカールには大勢の見物人が集まった。そして、太陽が砂丘の向こうに沈むと、暗くなった砂漠の奥に、無骨で高度に改造されたオフロード車の列がシルエットとなって浮かび上がり、アル・クバイシも911ダカールも、まったく場違いな存在には見えない。時代の流れを感じさせる。

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