リアにバッテリーとモーターを搭載したプラグインハイブリッドモデルは、バッテリーを直接冷却し、優れた性能を維持する一台
メルセデス・ベンツ日本は、メルセデスAMG GT 4ドアクーペのトップパフォーマンスモデル「メルセデスAMG GT 63 SE PERFORMANCE」を追加し、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店にて発売する。
「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」は、メルセデスAMG社の独自開発による新たなスポーツカー。メルセデスAMGのアイデンティティである、究極のハイパフォーマンスを持ちながら、官能的なデザインと快適な室内空間および4ドアの利便性を兼ね備えており、パフォーマンスやデザイン性を追求しながらも、日常生活での使い勝手も妥協したくない顧客の要望に応えるモデルだ。
【写真32枚】F1のきわめて苛酷な条件下で実証済みの先進テクノロジーを反映
メルセデスAMG GT 63 S E PERFORMANCEの主な特長
・F1テクノロジーを採用した駆動システム
GT63 S E PERFORMANCEの駆動システムは、4.0L V8ツインターボエンジンに交流同期モーターとAMG自社開発の高性能バッテリー、それにAMGのパフォーマンス志向連続トルク可変配分四輪駆動システムの4MATIC+を組み合わせたものだ。
4.0L V8ツインターボエンジンと電気モーターの組み合わせにより、システム出力620kW(843PS)、最大システムトルク1,400N・m以上を発生。また、0-100km/h加速をわずか2.9秒、200km/hまで10秒未満、最高速度は315km/hに達する。
出力150kW(204PS)の交流同期モーターはリアアクスルに搭載されており、電動シフト式2速トランスミッションおよび電子制御式リミテッド・スリップ・デフとともにコンパクトなエレクトリックドライブユニット(EDU)にまとめられている。専門的にはP3ハイブリッド(変速機内あるいは変速機よりも下流に電機モーターを置く)と呼ばれるレイアウトで、軽量の高性能バッテリーもリアアクスル上方に搭載された。
AMG高性能バッテリー
AMGハイパフォーマンスバッテリー(HPB)の開発は、「メルセデスAMG ペトロナスF1チーム」が使用しているF1ハイブリッドレーシングマシンの、きわめて苛酷な条件下で実証済みの先進テクノロジーを元に進められた。AMG高性能バッテリーは、高出力を頻繁に繰り返し発生できる能力と軽量構造を兼ね備えることで、クルマの総合的なパフォーマンスを高めている。
さらに、充電速度が速いことと出力密度が高いことも特長で、これによって、アップダウンのあるワインディングを高速走行する場面などでは、上りでただちに100%のパワーを引き出すことができる一方、下りでは強力な回生ブレーキが実現できる。
定格出力70kW、最高出力150kW
GT63 S E PERFORMANCEに搭載されるハイパフォーマンスバッテリー容量は6.1kWh で、定格出力70kW、最高出力150kW(10秒間)を発揮。また、わずか89kgと軽量であることから、出力密度は1.7kW/kgと高い値となっている。このバッテリーは、航続距離を最大化することより速やかな放電と充電を行えることを重点に設計され、EV走行可能距離も12km[EV走行換算距離(等価EV レンジ、WLTC モード)]と実用的なレベルを確保。たとえば深夜や早朝の住宅地などでは、静かに排出ガスを出さずに走行することができる。
バッテリーセルを直接冷却
このAMG 400Vバッテリーが高性能を実現する土台となっているのが、革新的な直接冷却方式だ。非導電性の液体をベースとする高度な冷却液を循環させ、560個のセルすべてを個別に直接冷却する方式を初めて採用。常に最適な作動温度に保たれる。
直接冷却方式を採用するために、厚さわずか数ミリという新しい薄型冷却モジュールを開発。約14Lの冷却液を高性能電動ポンプで、バッテリーの上から下まで全体に循環させて各セルを冷却するとともに、バッテリーに直接取り付けられた油水熱交換器内も通過させる。こうして熱は車載の2つの低温(LT)回路の一方に伝えられ、そこからまた車両のフロントにあるLTラジエターに伝わり、そこで外気中へ放出される。バッテリー内の熱分布を均一に保つように考えられたシステムだ。
AMG ダイナミックセレクト
AMG ダイナミックセレクトには「Electric(電動)」「Comfort」「Sport」「Sport+」「RACE」「Slippery(滑りやすい)」「Individual」の7つのモードがあり、新しい駆動技術に合わせて精密な設定が施されているため、このクルマの特性を効率重視からダイナミックなものまで、広い範囲にわたって変化させることができる。
ドライブモードによって、駆動システムとトランスミッションのレスポンス、ステアリング特性、サスペンションの減衰特性、サウンドなど、主要なパラメーターが変更される。モードの選択は、センターコンソールのロッカースイッチまたはAMGドライブコントロールスイッチで行う。
通常、GT63 S E PERFORMANCEは、電気モーターが駆動できるだけのバッテリー残量があれば、ドライブモード「Comfort」で静かに発進する(サイレントモード)。エンジンスタートボタンを押し、コックピットディスプレイには「Ready」のアイコンが現れ、GT63 S E PERFORMANCEが走行できる状態であることを示す。
さらに、室内にはAMGならではのパワフルに響く始動音がスピーカーから流れる。発進可能な状態にあることを音でもフィードバックする機能だ。あとはアクセルペダルを軽く踏むだけでクルマは動き始める。
電気モーターのみで走行する場合は、車速に応じて変化する専用の低周波AMGサウンドを前後のスピーカーから車外に発することで、GT63 S E PERFORMANCEが近づいていることを周囲に対して知らせる。室内でもわずかに聞き取れるので、乗員向けのフィードバックにもなる。
このAMG サウンドは約50km/hまで発生し、その後は徐々に音量が小さくなる。周波数の波形記号が表示されたボタンにより、「バランス」と「パワフル」の2種類のサウンドエクスペリエンスを選択でき、エンジンが始動するとすでに選択している設定に応じてエグゾーストサウンドが変化する。
回生ブレーキの強さは4段階選択式
高性能バッテリーが直接冷却により約45℃の最適な温度範囲に常に保たれることで、回生ブレーキについても最適化が可能となった。通常のシステムでは、回生ブレーキのレベルが高くなるとバッテリーの温度が大きく上昇することから、回生量を制限しなければならないことが難点となっている。
回生ブレーキは、アクセルから足を離す、すなわちブレーキペダルを踏まない空走状態でスタートする。このときバッテリーが充電されることで大きな制動力が発生し車両は減速できるので、摩擦ブレーキによるブレーキパッドの摩耗が軽減される。
また、回生ブレーキの強さや交通状況によっては、摩擦ブレーキをまったく使わずに制動できる場合もある。回生ブレーキの強さは4段階に分かれており、右側のAMGドライブコントロールスイッチで切り替えることができる。
これは「Slippery」モード以外のすべてのドライブモードに適用されるもので、選択されているドライブモードに応じて異なる設定でエネルギー回収が行われる。また、ドライブモード「RACE」の際には、回生ブレーキの強さが自動的に標準設定になり、限界域においてドライバーがコントロールしやすいブレーキ性能を実現する。
ツインスクロールターボチャージャーを2つ搭載したAMG4.0L V8ツインターボエンジン
GT63 S E PERFORMANCEが搭載するAMG4.0L V8ツインターボエンジンは、最高出力470kW(639PS)、最大トルク900N・mのパワーユニット。しかも、最大トルクを2,500~4,500rpmと広い回転域で発生する。こうした特性により、発進時点から320N・mの最大トルクを発生する電気モーターとの相性抜群なエンジンとなっている。
高出力の実現にも寄与する2個のツインスクロールターボチャージャーは、低回転域での最適なレスポンスと、中高回転域での力強いパワーの伸びを両立させている。また、タービンハウジングが2つに分割され、並行するフローポートとなっている。
電装品に電力を供給するBSG
BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)は、ジェネレーターとスターターを1つのモーターに統合したもので、出力は10kW(14PS)となっている。エンジンを始動させるほか、たとえば、赤信号停車時に高電圧バッテリーの充電レベルが低電圧の車載電気システムをサポートするのに十分でない場合などに、クライメートコントロールやドライビングライトなどの電装品に対して基本的な電力を供給。なお、このBSGは400V高電圧電気システムに組み込まれているため、レスポンスがきわめて良好だ。
サスペンション:AMG RIDE CONTROL+エアサスペンションを標準装備
「AMG RIDE CONTROL+エアサスペンション」は、セルフレベリング機構付きマルチチャンバーエアサスペンションをベースに、減衰力特性の調整が可能な電子制御アダプティブダンパーと組み合わせたシステムで、ダンパーにはプレッシャーリリーフバルブを2個採用した。
基本設定はAMGダイナミックセレクトのドライブモードにより選択することが可能で、ボタンを押すだけでハンドリング特性を変更できる。たとえば「Sport+」モードではきわめてダイナミックな設定、「Comfort」モードでは滑らかなクルージング向けの設定となる。これに加え、ドライブモードとは独立したチューニングを3段階で調整できる専用のボタンも設けている。
GT63 S E PERFORMANCEはこのほか、統合型車両運動特性制御システムのAMGダイナミクスも搭載。ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)の制御戦略や、四輪駆動、電子制御式リミテッド・スリップ・デフ(リア)を最適化することで、車両の安定性を損なうことなくアジリティを高めるものだ。
AMGダイナミクスで特に注目すべき点は、クルマがどのように反応すべきかを判断する能力を備えていることだ。そのためにシステムは、速度や横方向加速度、ステアリングの舵角、ヨーレートなどを検出するセンサーを利用。高度なフィードフォワード制御を行うことで、ドライバーの入力やセンサーからのデータをもとに、ドライバーが望む車両挙動を先取りする。
しかもシステムの介入が乗員に気づかれたり、不快に感じられたりすることはない。優れたコーナリング性能と最適なトラクション、それに高い安定性を伴う非常に信頼性の高いドライブフィールを得ることができる。
リア・アクスルステアリング
リア・アクスルステアリングは、最大1.3度の角度まで動作。最大100km/hの速度域では前輪と逆方向に作動する。これは、ホイールベースの仮想的な短縮につながり、俊敏なターンインが可能となる。また、Uターンや駐車時には回転半径が小さくなるため、取りまわしが容易なる。
さらに、100km/hを超える速度域では、後輪は前輪と同方向に作動する。ホイールベースの仮想的な延長は、運転の安定性にプラスの効果をもたらす。リア・アクスルステアリングの応答は、選択したAMG ダイナミックセレクトドライビングモードによって異なる。
AMG カーボンセラミックブレーキ
GT63 S E PERFORMANCEには、AMGカーボンセラミックブレーキを標準装備。キャリパーは前がブロンズカラーの6ピストン固定式、後がシングルピストンのフローティング式だ。高度なドライビングダイナミクスに合わせて変更が加えられたもので、カーボンセラミック製のディスクのサイズが前420×40mm 、後380×32mmと、ガソリンエンジンのみを搭載したモデルよりも大型化されている。
苛酷な使用条件下でのきわめて短い制動距離と最大限の安定性、耐フェード性が特長で、しかも耐摩耗性が高い上、レスポンスにも優れている。さらに軽量材料を採用することで、バネ下重量も低減されている。快適機能としては、ヒルスタートアシストのほか、ウェットコンディションで役立つプライミング/ドライブレーキ機能を得ている。
◆メーカー希望小売価格(消費税込。MP:202401)
「メルセデスAMG GT43 4MATIC+ (ISG 搭載モデル)」
右ハンドル/3.0L 直6直噴ツインターボ+マイルドハイブリッド
=¥15,650,000 (¥14,227,273)
「メルセデスAMG GT53 4MATIC+ (ISG 搭載モデル)」
左/右ハンドル/3.0L 直6直噴ツインターボ+マイルドハイブリッド
=¥20,600,000 (¥28,727,273)
「メルセデスAMG GT63 S E PERFORMANCE」
左/右ハンドル/4.0L V8直噴ツインターボ+プラグインハイブリッド
=¥33,400,000 (¥30,363,637)
※上記のメーカー希望小売価格は付属品価格、税金(消費税を除)、保険料、
登録に伴う諸費用を含まない車両本体価格。また「自動車リサイクル法」
に基づくリサイクル料金が別途必要となる。メーカー希望小売価格は
参考価格で、販売店が価格は独自に定めている。
なお、GT63 S E PERFORMANCEにも、新車購入から3年間、一般保証修理/定期メンテナンス(点検整備の作業工賃・交換部品)/24時間ツーリングサポート/地図データ更新が無償で提供される走行距離無制限の保証プログラム「メルセデス・ケア」が適用される。
新車登録日から6年間または総走行距離10万km到達時のいずれかまで高電圧バッテリーを無償で交換または修理する特別保証をご用意しております。さらに、メルセデス・ケア終了後も引き続き2年間、一般保証修理や24時間ツーリングサポートをご利用いただける有償のサービスプログラム「保証プラス」が用意されている。
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