2022年、12年ぶりに復活したラリージャパンが、2023年も11月16~19日に愛知&岐阜県を舞台に開催された。今回は有料観客席、イベント会場、沿道応援を含め、延べ536,900人の観衆が集まるなど大盛況。トヨタも前回の雪辱を果たし1-2-3を飾るなど盛り上がった。
53万人もの観客がラリーを満喫
11月16~19日、前回に続き愛知県と岐阜県を舞台に、WRCフォーラム8ラリージャパン2023が開催された。
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今回は林道のSSこそ前回と同様のステージが多かったものの、豊田スタジアムのフィールド内にスーパーSS(SSS)が新設されたのが最大のトピック。こちらは名古屋グランパスエイトのホームグラウンドということもあり、通常は芝生が敷き詰められているものを撤去し、ターマック路面を設置するという手の込みようだ。
前回はセレモニアルスタート&フィニッシュだけに使用していた豊田スタジアムのフィールドは、今回特設コースが設置されスーパーSSも3回開催されたことで大盛況。ライブ会場さながらのライティングも施され、ラリーカー対決のシーンを盛り上げた。
さらに昨年、岡崎市・乙川河川敷で行なわれたSSSも、今回は岡崎中央公園に場所を移して開催されるなど、見どころが多いラリーとなった。
今年、岡崎中央総合公園に新設された岡崎市スーパーSSは、広い敷地を活かした観戦エリアのほか、多彩なイベントを開催。クラシックラリーカーの走行も行なわれた。
木曜日の夕方からスタートしたセレモニーでは、豊田スタジアムのフィールドに全ラリーカーが集結し、ドライバーのインタビューも行なわれるなど、初日から会場は大盛り上
がり。その後のSSSでは、通常は見られない2台のラリーカーによるバトルが観戦できることもあり、多くの観衆が詰めかけた。
前回3位表彰台を獲得し、今年は優勝を目指していた勝田貴元は、デイ2のSS2で痛恨のクラッシュを喫し下位に沈んだが、その後10度のトップタイムをマークするなど挽回し、最終的に5位に入った。WRC唯一の日本人ドライバーということもあり、サービスパークでは大勢のファンがサインを求めていた。
翌日の本格的なラリーステージとなるデイ2では、日本人唯一のWRCドライバーとして参戦している勝田貴元が、一発目のSS2で、ウェット路面のなかマシンのコントロールを失い立木に衝突してラジエターを損傷。何とかサービスパークにたどり着き修復したが、ポジションを大きく落として上位争いから脱落してしまう。しかしその後も奮闘し、残りのSSでは10個のステージでトップタイムを記録、5位まで順位を挽回しラリーを終えた。
昨年凱旋勝利を獲得できなかったトヨタ勢は、デイ2からエバンスがトップに立つと、一度もその座を譲ることなく見事優勝。2位にはオジェ、3位にロバンペラが入り、1-2-3フィニッシュを獲得し前回の雪辱を果たした。
昨年地元で優勝を飾れなかったトヨタ勢は、デイ2からE.エバンスがトップに立つと、そのまま一度もその座を譲ることなく最終日まで走り切り、見事優勝。S.オジェが2位、K.ロバンペラが3位に入り、雪辱を果たす1-2-3フィニッシュの完全勝利を獲得した。
昨年同様、豊田スタジアム内に設けられたサービスパークでは、ラリーカーが整備されるシーンのほか、ドライバーからサインをもらえるチャンスもあるということで大盛況。デイ2でクラッシュした勝田のマシンを修復した後には歓声も溢れていた。
2024年も11月21日~24日で開催が予定されているラリージャパン。ますますの盛り上がりを見せてくれることに期待したい。
豊田スタジアムには、出展社関連のブースが並んだが、その中でもヒョンデは今回のラリージャパンで、高性能BEVモデルとなる「アイオニック5 N」を日本初披露した。
フォト:相澤隆之 /藤田勝博/ラリージャパン photo:T.Aizawa/K.Fujita/Rallyjapan ル・ボラン2024年2月号より転載