プラモがないのは何故なんだぜ!?「ホンダS660コンセプト」を怒りのフルスクラッチ!【モデルカーズ】

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ビートの後継、S360の再来

2013年11月に開催された東京モーターショー。その会場でひときわ熱い注目を集める1台のコンセプトカーがあった。それを見るために来場者は40分以上も待たされた、というその車両の名は、Honda S660 CONCEPT(ホンダS660コンセプト)。その後2015年に発売され、2022年に販売を終了したホンダS660のプロトタイプである。

【画像40枚】自然に仕上がったS660と大変な制作工程を見る!

S660は軽自動車枠に収まるミドシップスポーツカーであり、むろんあの名車ビートの後継モデルというべき存在であった。また、軽スポーツカーというその基本コンセプトは、かつてホンダが四輪市場へ進出するにあたって発表したS360を思わせる。奇しくもこの年(2013年)はホンダSシリーズの発売から50周年にあたっており(ホンダS500は1963年発売)、これにちなんでホンダでは、幻といわれたS360を復元、ともに展示するという力の入れようであった。

市販化が実現したS660は、当然ながら660ccのエンジン(直列3気筒DOHCターボ、64ps)を搭載、サスペンションは前後ともストラット。トランスミッションには軽自動車初となる6速MTを採用、7速パドルシフト式CVTも用意されていた。7年間にわたるモデルライフのうち、様々なパッケージや特別仕様車の発売があったが、基本となる部分にはさほどの変更はなく、2020年のマイナーチェンジ(フロントウィンドウフレームのボディ同色化など)が唯一の大きな変化である。

ケミカルウッドから削り出しての制作
ビート同様に人気モデルとなったS660だが、今までのところプラモデル化は一切実現していない。1/24スケールの組み立てモデルとしては、モデラーズのレジンキットのみである。ここでお見せしているのは、プロトタイプであるS660コンセプトを1/24スケールで再現したフルスクラッチ作品だ。手掛けたのは、こうしたヘビーな工作も難なく実現してしまう、ダッズ松本氏である。

この制作にあたっては、アオシマのビートを芯に使ってパテなどにより拡大することも検討されたが、最終的には、ケミカルウッドから削り出しての、全くのゼロからの作業となった。その様子は写真のキャプションにてご紹介しているので、参考にして頂きたい。作例の制作は2014年のことであるが、現在であれば3Dプリントなども、工法としては当然視野に入るところであろう。

実車のS660コンセプトについては「軽規格の中に収まっている」という説明をホンダはしていたが、その寸法等緒元は公表されていない(その後実際に市販されたS660と比べると、やはり若干大きいような印象はあるが……?)。単体で見ると堂々としたスタイリングはあるが、その横に人が立つとかなり小さいクルマであることに気づかされるのも事実である。この作例では、迫力ある印象を尊重して、現在の軽規格を基にした場合の全長142mmよりは若干大きめに制作されている。

作例制作=ダッズ松本/フォト=羽田 洋 modelcars vol.214より再構成のうえ転載

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