状況が悪化しているように見えるかもしれないけど悪くはない
先週末開催されたF1日本グランプリ。レースはレッドブルのM.フェルスタッペンが優勝し、チームもコンストラクターズタイトルを決定する結果となったが、レースウィーク前の木曜日に、アルファロメオF1チームのV.ボッタスと周 冠宇にインタビューする機会を得た。
そこで彼らの日本GPにかける意気込みや、日本のファンについてなどを問いかけてみた。
――これまで16戦を戦ってきての感想はいかがでしょう?
V.ボッタス:チームにとって、決して楽なシーズンではなかった。我々には希望があったし、もっともっと多くのポイントを獲得したいと思っていた。昨年の初めの頃はチームは本当に強かったし、期待も高かったと思う。でも、冬の間にもっとパフォーマンスを上げてきたチームもあり、その結果我々より一歩リードしてきた。
だからチャレンジングな状況で、ポイントを獲得することが困難な状況が続いている。でも今は少しずつ前進しようとしている。ようやくマシンには重要な新パーツが投入されてきているし、来年に向けた土台作りも進んでいる。状況が悪化しているように見えるかもしれないけど、悪くはないと思う。とはいえ、超タイトではあり、簡単な状況ではないのは確かだ。
周 冠宇:ボッタスの意見に近いね。もちろん、去年がルーキーとして初めてのシーズンだったという大きな違いはあるけどね。今年でF1参戦2年目になるので、もっといい結果を出したいと思っている。でも残念なことに、今年はマシンのパフォーマンスに対する期待が少しチャレンジングな状況になっている。しかもポテンシャルを大きく上げているチームがある。3チームか4チームで8位、9位、10位を競い合っている状況だ。
そんな非常に難しい状況だけど、今年はあきらめずにもっとアップグレードして、シーズンを高いレベルで終えられるようにしたい。最も大切なことは、チームとして前進する方法を理解し、来年に向けてパッケージを改善することだと思う。
僕自身は、ドライバーとして確実にレベルアップしていると思う。実際、より多くの知識、より多くの経験、そしてF1マシンを操る自信を持つことができたし、さまざまなサーキットを見ることができた。でもはっきりしているのは、チームとしてもう一歩前進する必要があるということ。適切なタイミングで、適切なパッケージを備えることが重要だ。マシンはまだ完成した状態とは言い難い。あと8レース。あと7レースかな。だからまだチャンスはたくさんある。
――鈴鹿で戦うにあたって、何か作戦はありますか?
V.ボッタス:鈴鹿は大好きなサーキットなんだ。だからまず、ここに来ることができてうれしい。予選やレースを戦えることがうれしいよ。幸い、土日は天気にも恵まれそうだ。だから、前回のレースでマシンにいくつか新しいパーツを投入したことで、さらに多くのことを学ぶことができたし、鈴鹿ではさらにクルマを最適化できるはずだ。だから、目標は2台のマシンでポイントを獲得し、トップ10に入ることだ。
周 冠宇:そうだね、僕も同じだよ。2台ともポイント圏内に戻りたいと思っている。ひとつでも非常に好調な週末があれば、コンストラクターズ・チャンピオンシップの順位をかなり上げることができると思うから。だから、強く、クリーンな週末を過ごすことが大切だと思っている。それで、マシンにいくつかの新しいパッケージングが施されたしね。
前回のシンガポールGPは低速が多くて難しかったけど、鈴鹿は高速コースなので、マシンには合っていると思う。それはレースが始まればわかると思う。目標はもちろん全力を尽くすことで、レースではチャンスを生かして戦略面でベストを尽くすことだ。土曜日が終わってもレースは終わらない。日曜日は最も重要な日だし、チャンスはたくさんあると思っている。
――日本のファンについてどう思いますか?
V.ボッタス:日本のファンは、とても情熱的だし、いつも敬意を払ってくれる。ファンフォーラムでただ静かに座って、話に耳を傾けてくれるのは鈴鹿のレースだけだよ。過去から続くレースの文化が深く、どのドライバーにもたくさんのファンがいる。個人的にも日本でたくさんのサポートを受けていると感じているし、それがグランプリを楽しいものにしているもうひとつの理由でもある。彼らはとても忠実だし、とてもリスペクトに値するファンなんだ。彼らには深く感謝しているよ。
周 冠宇:僕は、日本のファンがとてもクールだと思ったのは、彼らがとても素敵な帽子をかぶっていたことだ。今日、僕の帽子をかぶっている人を見たけど、その上にさらにミニヘルメットをかぶっていたんだ。これは日本以外のサーキットではみられない光景だと思う。
ここに来るのは本当にエキサイティングで、もちろん、彼らがドライバーに対して持っている情熱は、僕たちドライバーにとって非常に大きい。F1は明らかに発展していて、ファンの数も増えているのを感じている。日本のファンの振る舞いはとても素晴らしく、サインや写真を求める時もとても礼儀正しいと感じているよ。
他のサーキットでは、同じような感じではないこともあるからね。だから、ドライバーたちは感謝していると思うし、僕たちにとっても、すばらしいレース文化を持った日本に来ることができて本当にうれしいよ。
残念ながらレースはV.ボッタスがリタイヤ、周 冠宇がポイント圏外の13位という結果に終わってしまったが、さらなる進化を求めている彼らの今後に期待したい。
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