コミュニケーション機能を増し安全性を向上
アウディは、今年発売されると噂されている新型電動SUV「Q6 e-tron(Q6 eトロン)」のプロトタイプを7月26日(現地時間)に初公開、同時にこのモデルで採用される第2世代のデジタルOLEDリヤライトなど、新たなライティングテクノロジーの詳細を明らかにした。
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Q6 eトロンでは、第2世代のデジタルOLEDテクノロジーがエクステリアの特徴となり、その機能を大幅に拡大。デジタルOLEDリヤライトの印象的なコミュニケーションライトにより、安全性も向上するという。
第2世代デジタルOLEDリヤライトの詳細
今回初めて、デジタルOLEDリヤライトは、実際に走行する環境の中で具体的なコミュニケーションを行うことが可能となったとのこと(Car-to-Xコミュニケーション)。デジタルOLEDパネル1枚あたりのセグメント数は、第1世代の6から60に増加。Q6 eトロンのリヤライトには、6枚のOLEDパネルが使用され、合計360のセグメントに分割されている。
この6枚のパネルが、専用開発されたアルゴリズムを使用して10ミリ秒ごとに新しい画像を生成し、これにより、アクティブデジタルライトシグネチャーは、Q6 eトロンの「思考」を動きにより可視化することで、車両の反応を表現し、個人的な対話能力を実現。パネル1枚あたりのセグメント数が今後も増加することにより、将来的には、自動車のリヤライトをディスプレイとして活用し、Car-to-Xコミュニケーションを強化して、安全性をさらに高めることが可能だとしている。
安全機能の面では、アウディのモデルではすでにお馴染みの機能である車両接近アラートがさらに拡張され、コミュニケーションライトが組み込まれた。このライトは、危険な道路状況では警告シンボルと通常のリヤライトグラフィックによる特定のリヤライトサインを表示することで、後続車に事故や故障といった危険を事前に知らせる。さらに、エマージェンシーアシスト、RECAS(追突警報信号)、ハザードランプ、エマージェンシーコール(eCall)、ロードサイドアシスタンスコール(bCall)、エマージェンシーブレーキライトの各警告シンボルをコミュニケーションライトに表示させることができる。
コミュニケーションライトはエグジットワーニングにさらなる安全機能を追加した。これまでは、別の車両や自転車が近づいてきた場合などに、車両から降りようとする乗員にのみ警告を発していたが、新しい機能では、リヤライトのグラフィックに専用のライトシグネチャーが表示され、後方から近づいてくるサイクリストやドライバーに対しても警告するようになったとのことだ。
デザインにおける可能性
アウディでは、「革新的なデジタルOLEDテクノロジーは、他に類を見ない均一な光と非常に高いコントラストを特徴とし、全く新しいリヤライトデザインの可能性を広げます。面光源には反射板、ライトガイド、光学系の装置が必要ないため、構造が非常にシンプルになります。これらの特性を組み合わせることで、アウディのエンジニアとデザイナーは、従来の2次元および3次元デザインの境界を打ち破ることができます。つまり、平面上に立体的な造形を生み出すことが可能になります」としている。
また、車両のフロント部分にも革新的な機能を採用したとのこと。次世代のデジタルデイタイムランニングライトとライトモジュールは視覚的に分離され、デザインがより明確に。デザイナーは、合計70個のLEDユニットを透明な3Dオブジェクトとして設計することにより、革新的なデジタルデイタイムランニングライトの開発に成功したという。
パーソナライズおよびカスタマイズの可能性
Q6 eトロンでは、このライトシステムに新たなパーソナライズの基準を設定。マトリクスLEDヘッドライトとデジタルOLEDリヤライト2.0では、デイタイムランニングライトのデザインが見直され、これに合計8種類のオプションのデジタルライトシグネチャーを追加することで、ユーザーはこれまでにない方法で、Q6 eトロンの外観を好みのスタイルでカスタマイズすることができるとのこと。ユーザーは、myAudiアプリを使用するか、車内でMMIを使用してシグネチャーを選択できる。
さらなるカスタマイズには、車両購入後にオンデマンド機能を使用して、LEDヘッドライトプラス/マトリクスLEDヘッドライトおよびデジタルOLEDリヤライト用のデジタルライトシグネチャーのパッケージを購入できるという。これは機能を買い取りすることも、特定の期間だけ購入することも可能だそうだ。このような柔軟性により、ユーザーは好みに合わせて最大8種類のデジタルライトシグネチャー(デジタルOLEDリヤライトおよびLEDヘッドライトプラス/マトリクスLEDヘッドライトを組み合わせた場合)が選択可能となる。また、ハイビームアシストとマトリクスパッケージをオンデマンドで購入することもできるとのことだ。
※日本仕様の導入時期、仕様、価格は未定。