オシャレなイメージがあるフランス車ですが、実のところは……!?【池ノ内ミドリのジャーマン日記】

100周年のル・マン24時間はいろんな意味で特別だった!?

4月からほとんどミュンヘンの自宅へ戻っておらず、国から国へと愛車とともに渡りあるいている内に、あっという間にもう6月も終わってしまいました。6月といえば、今年もル・マン24時間レースの季節がやってきました。

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特に今年は100周年目の節目を祝う大切な大会ということもあり、世界中のモータースポーツファンがこの日を一緒にフランスで迎えようと詰め掛けました。今年からハイパーカークラスには、フェラーリ、キャディラック、ポルシェ、プジョーが加わりって一気に賑わいが増しました。その一方で、去年までほぼ独占状態だった5連覇を誇るトヨタGazooレーシングは、6連覇に向けて全力で挑みます。
来年は更にランボルギーニ、BMW、アルピーヌが加入しますので、このル・マンの最高峰であるハイパーカークラスが一気に賑わいを見せ、コンペティティブな戦いがみどころとなりますね。

100周年ということもあり、パドックはいつもに増してファンで溢れ返っています。最高峰クラスへ50年ぶりに復帰したフェラーリや地元フランスのプジョーのファンは特に熱狂的なのが印象的でした。

ある程度は予想をしていたものの、100周年記念大会の来場者はとんでもなく多く、パドックを歩くのも一苦労です。ル・マンのオフィシャルショップや各自動車メーカーのポップアップショップもどこもかしこも入るのにも行列。どうしても欲しかったポルシェのスポーツカー75周年の特別カラーリのル・マン24時間レースの会場限定で発売されるTシャルは、初日に即完売だったそうで、とても残念でした。

パドックで売っている食べ物や飲みものは、とてもおいしそうなのですが、どれもイベント価格でめちゃくちゃお高いのがネック。特にル・マン24時間レースでは、それに輪をかけていると思います。サンドイッチとポテトのセットが24ユーロ+ソフトドリンク5ユーロ+カップのデポジット2ユーロで31ユーロ(約5千円)ってどういうことですか⁉
イベリコ豚の生ハムが数切れ挟まったバゲットの半分のサンドイッチは9ユーロ、薄~いチーズを足すと更に3ユーロという感じですが、ここも大行列。
観客としてレース観戦だけではなく、飲食やグッズ購入も我慢せずにル・マンで楽しもうと思うと、結構な金額を貯金してから行かないとダメだなと痛感しました(苦笑)。
毎回食べ物を買うのに大行列に並んで時間の大幅ロスを考えると、お高いですが、思い切ってホスピタリティパスを購入して楽しむのも手ですよね。特にお天気の良い日はうだるような暑さですので、その暑さに耐えながらの行列は結構キツいと今回は痛感しました。

オシャレなモノで溢れ、オシャレな方がオシャレなフランス車をドライブしているイメージなおフランスですが、隣国に住んでいるワタシやドイツ人にはそんなイメージは皆無(苦笑)。恐らくパリの中心部にはそんなステキなフランスが広がっているのでしょうけれど。

パドックのイベントエリアには日本コーナーが作られ、浴衣や着物姿の女性がお抹茶とお茶菓子の提供も。

日本では数年前からフランス車はオシャレなイメージで大ブームですよね。日本の道の狭さや高速道路の制限速度からしたらぴったりなのかも知れません。

みなさんも他府県にドライブにいらっしゃった際には、かなり慎重にドライブされると思うのですが、私たち隣国在住者もフランスに行ったら、どこにあるか分からないオービスに気を付けて慎重になりますし、制限速度をしっかり守ります。そうすると、物凄い勢いで煽って来られるのです(苦笑)。これまた、ここで煽る? というような市街地の30km/hや50km/hの制限区間です。そこをセンサーが鳴る位までぴったりと後ろにくっついてきて、右に左にとゆらゆらして早く行けと急かされますが、もう私は全く知らんぷりをすることにしています。最初の頃はどうしようと焦ったものですが。

今まで以上にフェラリスタが多く詰め掛けた。

私の愛車のカブリオレはリアガラスにドライブレコーダーを装着することが出来ませんので、後部座席のヘッドレストの付け根に設置しているのですが、丁度後続ドライバーの目線の高さにドラレコがあり、後続車はずっとドラレコのカメラに顔を映されているのが見えているはずです。イライラしているおバカな顔が映っていて結構面白いですよ(笑)。そんな制限速度の中で無理やり追い越そうとして、当然対向車がきて危ない場面を何度も見ていますので、ほらね!と言いたくなります。

100周年記念とあり、パドックの一角には写真展も開催された。私のお気に入りは、観客の方のピクニック風景の写真。いまも殆ど変わっていない風景をル・マンでは見掛ける。

こんな時のためにも、ドラレコを着けて私は制限速度を守って運転していることを証明するのも大切です。フランス語などボンジュールくらいしか分からないので、もしも事故が起きた時にはことばでは絶対に負けますからね。おまけに外国人は、自分が悪くても絶対に謝らないので!
特に煽ってくるクルマはルノーのクリオ(日本名ルーテシア)やライトが暗い20~30年ものの古いフランス車が多いので、いくら日本ではオシャレ? だと言われても、それらをみると気分が悪いのです(苦笑)。煽られるのは私だけではなく、ドイツナンバーの友人知人も煽られまくっているようです。
というのも、フランスナンバーのクルマは、自国では比較的マナーが良いのに、ドイツのアウトバーンでは速度制限解除の区間で堂々と真ん中の車線を120km/hで延々と走り続けて流れを壊すことで有名で、ドイツナンバーに煽られ、猛スピードでサンドイッチにされ左右から抜かされている(禁止行為です)ので、その仕返しかと(苦笑)。
そして、これまた典型的なのは、かれらフランスナンバー車は80、100、120km/hなどの制限がある区間では、堂々と速度違反をして+20km/hで走るのはなぜなんでしょうね。
どうせなら速度無制限の所で存分にスピードを出せばよいのにと常日頃思うワケです。ちなみに近隣国のイタリアもオランダもベルギーも同様の状況なんですよ!
さてさて、ハナシはズレましたが、ル・マン24時間レースを兼ねてフランスにドライブ旅行をご計画なさっている方もいらっしゃるでしょう。

ル・マン市内を走るトラムも100周年記念のル・マン24時間レースのカラーリングに彩られた。

シャルル・ド・ゴール空港からTGVでル・マン駅まで1本、そこからトラムやタクシーで街とサーキットの移動はカンタンですので、レンタカーはなくとも十分楽しめるでしょう。むしろサーキットの駐車チケットの入手や、移動(駐車場からサーキットでは徒歩でかなり遠い)が大変かも知れません。
郊外や田舎なら、駐車スペースは全く問題ありませんが、都市部の路上駐車では後続車の圧をひしひしと感じながら素早い切り返しの縦列駐車をするスリリングさがります。また、地下駐車場の多くは、上り下りが急な螺旋が続き、駐車スペースも激狭なことが多々ありますので、レンタカーを借りられる場合はコンパクトカーをおススメします。

ル・マンの後も、私の流浪の旅はまだまだ続き、オランダで仕事をし、ただいまベルギーをウロウロ中……。

この記事を書いた人

池ノ内 ミドリ

武蔵野音楽大学および、オーストリア国立モーツアルテウム音楽院卒業。フリーランスの演奏家を経て、ドイツ国立ミュンヘン大学へ入学。ミュンヘン大学時代にしていた広告代理店でのアルバイトがきっかけでモータースポーツの世界と出会い、異色の転身へ。DTM、ル・マン/スパ/ニュルブルクリンクの欧州三大24hレースを中心に取材・執筆・撮影を行う。趣味は愛車のオープンカーでヨーロッパのアルプスの峠をひたすら走りまくる事。蚤の市散策。

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