ロイヤルサルーンのみに設定のスーチャー車
フジミの1/24プラモデル、130系クラウン2000ロイヤルサルーンを作っていこうという連載、今回は2回目となる。このクラウンは八代目となる世代のモデルであり、この実車については第1回でも簡単に述べてみたが、今回はちょっと違う側面から説明を加えてみよう。
【画像28枚】前輪のポージングが決まって気持ちいい!な工作画像を見る
さて、タイトルにも書いたように「S130」とひとことで言われることが多い八代目クラウンだが、型式名は各モデルによって微妙に異なっており、だからこそS130型「系」と表現される訳である。まず、トヨタ車の型式は頭が搭載エンジンを表すので、最初のアルファベットは3Lの7M-GE搭載車であれば「MS」、2Lの1G系エンジン搭載車であれば「GS」、2.4Lディーゼルの2L系エンジン搭載車であれば「LS」となる。
数字の「130」は下ひと桁がモデルによって微妙に変わる。以下はハードトップに限定した説明となるが、2Lの最低グレードであるスーパーエディション、およびディーゼル車の3グレードが、ベーシックな「130」。これを基本として、2Lの主要モデルは「131」、ロイヤルサルーンは2L/3Lいずれも「135」、そして3LのロイヤルサルーンGが「137」となる。という訳で、この2Lスーパーチャージャーのロイヤルサルーンは「GS131」である。
2000ロイヤルサルーン(スーパーチャージャー車)の型式名を厳密に言うと、コラムシフト車はE-GS131-ATSQR、フロアシフト車はE-GS131-ATPQRだ。最初の「E-」は排ガス規制適合であることを示し、後ろの「-AT」は4ドア・ハードトップであること(セダンの場合は「-AE」、ワゴンは「-AW」)、「S」か「P」かは4速ATのセレクター位置(コラムかフロアか)、「Q」はグレード(ロイヤルサルーン)、「R」はエンジン(2Lスーパーチャージャー)であることを示すようである。このキットはフロアシフトなので、正確にはE-GS131-ATPQRということになる。
2Lのロイヤルサルーンには前回も述べた通り、スーパーチャージャー付の1G-GZE搭載車と、そのベースエンジンである1G-GE搭載車のふたつがあった。いずれのエンジンも、このグレードのみの設定である。その下には、上から順にスーパーサルーンエクストラ、スーパーセレクト、スーパーエディションの3グレードがあり、こちらには1G-Eと2L-T(ターボディーゼル)の両方が組み合わされる。
1G-GEは元は1G-GEUと呼ばれたエンジンで、1980年代を担うべく登場した直列6気筒SOHC 1988ccの1G-EUをDOHC化し、初代ソアラに搭載されて1982年にデビューしたユニットである。開発はヤマハが担ったもので、1気筒あたり4バルブの24バルブ・エンジンであり、最高出力は140㎰(ネット値。登場当初はグロス値で160㎰とされた)であった。1G-GZEはこれにスーパーチャージャーを組み合わせたもので、出力160psとされている。いずれも、先代S120型系クラウンから引き継いだエンジンであった。
※以上、型式名と搭載エンジンについてはデビュー当初のラインナップに基づいた記述であり、のちには様々な変更が加わっているのでご注意。
ステアを可能に、さらにエンジンフードを開けて…!
さて、今回タイトル画像を見てすでにお分かりの通り、制作中の作例では、本来ステアしない前輪をステア可能に改めている。これだけでもファンには嬉しい改造であり、その工作内容については画像のキャプションをよく読んでほしいのだが、前回予告した「ちょっと大胆な改造」とは、実はこれのことではない。前述の1G-GZE型エンジンを搭載しようと目論んでいるのである。そのための加工は今回始めたばかりとなるが、肝心のエンジンはどこから持ってくるのか、そしてそれをどうやって搭載するのかは、次回をお楽しみに。
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