赤/黒か赤/グレーか!? どちらかに絞り切れずに2色展開になったワケ。『トミカリミテッド ヴィンテージ スカイラインのすべて』メイキング秘話01

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いよいよ発売日まで20日を切った『トミカリミテッド ヴィンテージ スカイラインのすべて』。今回は、そもそもなぜ1色ではなく2色展開になったのか、その経緯をお伝えしたい。

◆『トミカリミテッド ヴィンテージ スカイラインのすべて』Ver.01 赤/グレー
まず、付録となるトミカリミテッド ヴィンテージ(以下TLV)の車種選定に関してはすんなり決まった。1957年に始まったスカイラインの歴史において、非常にエポックメイキングな世代はいくつか存在するが、「スカイラインの最高性能グレードは6気筒以外は有り得ない」という不文律を破っただけでなく、長らく中断していたモータースポーツへの復活を果たしたという意味で極めて存在意義の大きい、6代目スカイラインのRSシリーズを置いてほかに考えられなかった。

しかも、ターボ仕様、インタークーラー付きターボ仕様と、毎年のように高性能化を図ったRSシリーズの中でも、原点とも言える一番ピュアな初期型が望ましかったのだ。

◆『トミカリミテッド ヴィンテージ スカイラインのすべて』Ver.02 赤/黒
運よく、TLVでも初期型のRSはリリース済みで、いわゆるカラバリ展開で『トミカリミテッド ヴィンテージ スカイラインのすべて』の付録も作ってもらえることになった。しかしメーカー純正にこだわるならば、残された選択肢はひとつ。前期型RSにのみ設定のあった赤/グレー(グレーメタリック)だ。

おそらく古くからのスカイライン好きにはお馴染みのこのカラーだが、どういうわけだか、現存車で同色に塗られている個体は、スカイラインのイベントでもほぼ見かけないレアな存在だ。当時を思い起こせば、たしかに一番見かけたのは白、ガンメタ単色、ガンメタ/黒あたりで、この赤/グレーはあまり見かけた記憶も無いし、メディアへの露出も少なかったような気がする。

スカイラインRSの発売当時、メディアにもっとも露出が多かったのが、このグレー/黒のツートンだった。

そして、多くの人が思い浮かべるスカイラインRSのアイデンティティカラーである赤/黒だが、実はこの色、RSのデビュー当時には設定が無かったのだ。赤/黒が純正オプションとして設定されたのは、1982年の10月、旧来の14インチに代えて、60扁平のタイヤと15インチの通称マンホールホイールが装着されるタイミングであり、今回の付録になる14インチホイールを履く初期型のRSにはあり得ない組み合わせなのだ。

1982年10月、15インチの通称マンホールホイールと60扁平タイヤが装着され、赤/黒のツートンが正式オプションとなった。

ご存じのように、TLVは基本的に実車再現を至上命題としており、架空やフィクションをもっとも嫌う。それゆえに赤/黒の選択肢は望み薄となった。だが、記憶を辿れば、たしか赤/黒のツートンで14インチホイールを履いた実車の写真を見た記憶がある。手持ちのスカイライン関係の書籍を片っ端から目を通していくと、ついに発見した。

それがヨコハマタイヤとニッサンのコラボ企画限定車、『RSアドバン』である。同車はタイヤをまだ出たてのアドバン HFタイプDとして、随所に『ADVAN』のステッカーやバッジなどを備えているが、ホイールは14インチのままである。ならば、『RSアドバン』を再現すればいいじゃないか、と思われるかもしれないが、小さなバッジとは言え、グリル内に装着された三角形のそれを再現するためには、グリル部分の金型を改修しなければならない。そうなるとさらにコストも嵩んでしまう。

こちらが1982年夏に発表された、全国300台限定の『RSアドバン』。14インチ。ホイールと赤/黒ツートンの組み合わせ

そして苦肉の策として浮かんだのが、『RSアドバン』をモチーフとした架空の仕様、今回の商品名である『モデル・カーズ オリジナル仕様』である。おそらく多くの方が、なぜ見慣れた赤/黒のカラーをモデル・カーズ オリジナル仕様と呼ぶのか、不思議に思われていたことと思うが、実はそんな理由があったのである。

◆『トミカリミテッド ヴィンテージ スカイラインのすべて』書誌情報
 定 価:5,280円(税込)
 発売日:2023年7月28日(金)
 出版社:カルチュア・エンタテインメント株式会社 ネコ・パブリッシング事業部
 予約開始日:2023年6月26日(月)
 仕 様:オールカラー80ページ A5サイズ

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2023/07/11 15:00

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