スーパーマーケットの屋上に立ち並ぶスーパーチャージャー。EVを普及させることでアメリカの景色を変えたテスラは、次は、どんな車でどのような新しいライフスタイルを、作り出そうとしているのだろうか。今回は、本国アメリカにおけるテスラの環境について、モデルYのオーナーであり、自動車業界に詳しいシリコンバレー在住のコンサルタント、櫛田健児さんに話を伺った(インタビューは2022年11月に実施)。
Q:米国でのテスラ体験って日本と違うの?
A:全然違います。特にSCのインフラとFSDですね。
米国と日本で大きく異なるのは、スーパーチャージャー(SC)のインフラとFSDの普及具合です。特にカリフォルニアのSCの普及はめざましいですよ。たとえば先日、私の自宅から車で3分ほどの大型スーパーマーケットの駐車場に、18台のSCがポンとできました。20〜30分の買い物の間SCにつないで、充電して帰るんです。
私のオフィスの近くの立体駐車場にも、ある日突然19台のSCができました。同じパーキングストラクチャーの3階がSCエリアで、2階にはデスティネーションチャージャーがあります。クルマ社会なので、朝クルマでオフィスに行き、デスティネーションチャージャーにつなぎます。
すると、残り20%から6時間ほどで80%まで充電できます。仕事中にそれだけ充電できれば困りません。高速充電したいときは、SCでサクッと。近所にも遠方にも必ずSCがあるので、いまの充電残量が何%か、次の目的地まで何%必要かといったことをまったく気にしなくていいんです。
【写真4枚】FSD(全自動運転)が体験できる米国、実際はどんな感じ?
そもそも、アメリカはインフラ整備が下手でした。実はいま、アメリカは国の経済規模で世界第1位なんです。上から順にアメリカ、中国、日本、次がドイツですが、そのドイツの経済規模を、カリフォルニア州が上回る寸前です。なのに、シリコンバレーの大動脈のフリーウェイの横を走る電車は、ディーゼル列車。これがラッシュ時以外は1時間に1本しか来ないんです。
サンフランシスコ市内の道路もボコボコ。インフラがうまく整備できない国なのに、チャージインフラはこんなに迅速に充実したんです。日本のインフラは、特に首都圏や都市部においてすばらしいですよね。どこにでも電車は走っているし、しかもオンタイムで運行します。なのに、チャージインフラはダメです。できない理由ばかり出してくるのが、残念で仕方ありません。
FSD(全自動運転)を体験。実際はどんな感じ?
みんなテスラ”だけ”を買っているのではなく、”オートパイロット”も買っているのだと思います。FSDベータは体験しましたが、まさにゲームチェンジャーですね。これは、めちゃめちゃ使えます。ちょっと渋滞しているとき、疲れているとき、子どもの送り迎えのとき、運転が面倒なときなど、非常に助かります。
FSDベータのテスラは、赤信号で止まるし、青信号になれば動き出す。右折も左折もできます。目的地をナビにセットし、オートパイロットをセット、するとFSDで目的地にたどり着きます。感覚としては、ほとんどの区間をFSDが運転してくれる感じです。FSDを外すのは、たとえばトラックがガッと割り込んできて反対側に自転車が……続きは、『TESLA FAN BOOK』で!
タイトル:『TESLA FAN BOOK テスラについて知っておきたい100のこと』
定 価:1,650円 (本体:1,500円)
ページ数:148ページ オールカラー
発行年月日:2023年3月29日(水)
Amazon 商品ページ: https://www.amazon.co.jp/dp/4777026825
ネコ・パブリッシング内の紹介ページ: https://www.neko.co.jp/magazine/tesla-fan-book