スタイリッシュなエクステリアに最新のインフォテイメントシステムを搭載!
アストンマーティンは5月25日、DB11の後継モデルとなる新型「DB12」を発表した。2023年第3四半期からデリバリーを開始する予定とのことだ。
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DB12のパワーユニットは、クラス最高となるの最高出力680ps、最大トルク800Nmを発生するV8ツインターボを搭載。その開発では、ボディ剛性の大幅な強化から専用開発のミシュラン パイロットスポーツ5Sタイヤに至るまで、総合的なアプローチを実施し、最新のアダプティブダンパーを備えたまったく新しいサスペンション・システムし、これをエレクトロニック・パワーアシスト・ステアリング(EPAS)システムとエレクトロニック・リア・ディファレンシャル(E-Diff)によってさらに強化している。またE-Diffは、俊敏性を高め、ダイナミックな走りを実現するという。
一方、6軸慣性測定システムを使用してグリップを予測する最先端のエレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)システムを搭載。これには5つのドライブモードが設定され、走行特性を自在に変化させることが可能となっている。
DB12は、アストンマーティンの創立110周年と輝かしいDBモデル誕生75周年という、2つの重要な節目の年に発表され、次世代スポーツカーを先導するモデルとして、ハイパフォーマンスとウルトラ・ラグジュアリーという2つの価値観を提供してくれるモデルとなっている。
アストンマーティン・グループ最高技術責任者のロベルト・フェデリは、DB12について次のように述べている。
「DB12には、アストンマーティンの主張が込められています。このモデルは、パフォーマンス、ダイナミクス、エンジニアリング、テクノロジーのリーダーとしてのアストンマーティンの立場を主張します。私たちは、あらゆる側面でクラス最高を目指しました。その結果、ライバルよりも優れたパワーとパフォーマンスを実現することに成功しました。このニューモデルは、卓越したハンドリングとエキサイティングなサウンドを組み合わせた、情熱的で真にスポーティな車です。重要なのは、その幅広い機能により、洗練性、快適性、高級感を損なうことなく、これを達成できたことです。業界をリードするダイナミック・コントロールおよびインフォテインメント・システムを採用したDB12は、アストンマーティン史上もっともエキサイティングな新時代の幕開けを告げます」
DB12に搭載される4.0L V8ツインターボユニットは、0→60mph(約96km/h)加速はわずか3.5秒(0→100km/h3.6秒)、最高速度は325km/hのパフォーマンスを披露。ハンドビルドされたこの特別なエンジンは、エンジニアによってファインチューンが施され、680ps/6,000rpmの最高出力と、従来のDB11と比較して34%増加した800Nm/2,750-6,000rpmの最大トルクを発生する。
パワーの強化は、カムプロファイルの変更、圧縮比の最適化、より大径のターボチャージャーの採用、冷却性能の強化によって達成された。増加する熱需要に対処するために、冷却システムは完全に再設計され、既存の中央メインラジエーターに、さらに2つの補助クーラーが追加されており、あらゆる条件下で望ましいエンジン吸気温度が確実に達成されるように、追加の低温ラジエーターがインタークーラーの冷却水回路に取り付けられている。
さらに、潤滑回路の熱に対応するために、補助エンジンオイル・クーラーの表面積を、従来の2倍以上に拡大。熱気のエアフローを改善することで冷却性能がさらに最適化され、開口部を56%増加したことにより、より多くの冷気がラジエーターに流入できるようになり、ツインターボ上に配置されたボンネット中央のエアベントから熱気を排出する。
そのエンジンパワーは、8速オートマチック・トランスミッションと、アストンマーティンDBモデルでは初めて採用されたエレクトロニック・リア・ディファレンシャル(E-Diff)を介して路面へと伝達される。ディファレンシャルは、車のエレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)システムと連動して作動し、従来のリミテッド・スリップ・ディファレンシャルとは異なり、数ミリ秒以内に全開からフルロックまで変化させることが可能で、ドライバーに最大限のレスポンスを提供し、より正確で一貫したハンドリングを実現してくれる。
一方、最新世代のESCシステムと調和して作動するE-Diffは、あらゆる状況で車のコーナリング性能を大幅に向上。低速から中速コーナーでは、DB12は驚くほど俊敏でレスポンスに優れ、フロントエンドの強力なグリップと驚異的なトラクションにより、荒れた路面でもダイナミックに走行することが可能だという。その一方で、高速コーナーでは落ち着いた挙動を示し、ドライバーに大きな自信とコントロール感をもたらす。
また、最終減速比の数値は低く(3.083:1)されており、専用のトランスミッション・シフト・キャリブレーションを設定しています。低い最終減速比はより力強い中間加速を実現し、専用のトランスミッション・シフト・キャリブレーションはシフト時間を短縮して、幅広いドライブモードに適合するさまざまなシフト特性を提供してくれる。
シャシーの接着アルミニウム構造は、さまざまなアンダーボディ・コンポーネント(エンジン・クロスブレース、フロント&リア・アンダートレイ、フロント・クロスメンバー、リア・バルクヘッド)の変更により、全体的なねじり剛性が7%向上。これらの相乗効果により、特にフロント・ストラットタワーとリア・ストラットタワー間のねじれ剛性と横剛性が集中的に改善され、ダンパーとリアアクスルのより強力で安定した固定ポイントが提供されている。このことで、サスペンションのパフォーマンス、力の分離性、洗練性が向上し、オンセンターおよびオフセンターのステアリングフィールと全体的なドライバーとの一体感が向上しているという。
さらに、新世代のインテリジェント・アダプティブダンパーの導入と、より剛性の高いアンチロールバーなどの主要コンポーネントによる高度なエンジニアリングにより、クラスをリードするドライビング・ダイナミクスと大幅に強化されたパフォーマンスを実現。最先端のダンパーは、容量の増加により、スポーティな設定から乗り心地重視の設定まで、より幅広いドライブモードの調整が可能になった。
このダンパーは、調整することでダイナミック・モードに移行するにつれて、より俊敏なレスポンスとよりタイトなボディコントロールに段階的に変化させることができる。E-DiffおよびESCシステムと組み合わせることで、GTモードではラグジュアリーな乗り心地が維持しつつ、スポーツおよびスポーツ+モードでは、レスポンスが向上し、ボディコントロールが強化され、タイトなワインディングロードでも活気溢れる走りが楽しめる。
また、そのパワーに見合った制動力を確保するため、スリット&ドリルド加工が施された400mm径の鋳鉄製フロントディスクと、360mm径リアディスクを標準装備。ブレーキ・ブースターもペダルのフィードバックを改善するために再調整し、しっかりとしたペダルフィールを提供する。
カーボンセラミック・ブレーキ(CCB)もオプション設定。最高800℃の温度までブレーキフェードが軽減されるとともに、標準のブレーキシステムと比較してバネ下重量が27kg軽量化されることで、乗り心地とステアリング・レスポンスが向上するという。
タイヤには、専用開発となるフロントが275/35 R21 103Y、リアが315/30 R21 108Yのミシュラン パイロットスポーツ5sを装着。カーカス部にノイズキャンセリング・ポリウレタン・フォームインサートを備えることにより、車内に伝わるタイヤの「回転音」が20%低減された。
組み合わされる21インチの鍛造アロイホイールは、最先端のシミュレーションを使用して重量を徹底的に削減することで、以前の20インチ・ホイールより8kg軽量化されているという。
DB12のエレクトロニック・スタビリティ・プログラム(ESP)システムには、センターコンソールのESPボタンで選択可能な、4つの事前定義されたESPモード(ウェット、オン、トラック、オフ)を用意。これは車両周囲の数多くのセンサーから情報を取得することによって機能しているが、その中で、もっとも先進的なシステムが新しい6軸慣性測定ユニットで、この高度な加速度計は、車両の挙動をリアルタイムで計測し、最先端のアルゴリズムを使用して、利用可能なグリップのレベルを予測し、瞬間的な挙動の不安定性に対応してくれる。
このマルチモードESPに加えて、5つのドライブモードも用意。「GT」、「スポーツ」、「スポーツ+」は動的挙動を段階的に調整し、ステップごとにドライバーがより自由にグリップとトラクションの限界を探ることができるようにし、「ウェット」モードはグリップの低い路面での安定性を高めるとともに、「インディビジュアル」モードでは、シャシー、パワートレイン、ESP、トラクション・コントロールの設定を自由に組み合わせ、ドライバーの好みに合わせて車両システムを正確に調整することができる。
エクステリアは、トレッドをフロント6mm、リア22mm拡大し、フロントエンドのラジエーター開口部が拡大、スプリッターとともに形状も見直されていまる。新たにデイタイム・ランニングライト(DRL)を備えたLEDヘッドライトは、ワイドなスタンスをさらに強調。フロントノーズには、最新形に進化を遂げた、象徴的なアストンマーティンのウィング・バッジが誇らしげに装着される。
アストンマーティン・エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマンは、次のように述べている。
「DB12のデザインは、アストンマーティンが目指すスーパーツアラーを定義しています。歴史的に、現代の自動車愛好家の間で、GTという名称は、ある種の快適さ、スピード、洗練さを意味してきました。しかし、非常に経験豊富なアストンマーティンのお客様は、単なるドライバーではありません。そのため、私たちは単純に自動車をデザインするのではなく、卓越したハンドリング、ダイナミクス、パワートレイン、スペース感覚、スタイリングなど、すべてをDB12に融合しました。そして、パフォーマンスデザインという、このまったく新しいカテゴリーの走行体験を提供するために、テクノロジーを通じてそれを最大限に実現しました」
「アストンマーティン・オーナーの方々が、公道でその走りを限界まで楽しむとき、彼ら自身の経験に基づいて安全に車をコントロールしながら、スピードとパフォーマンスのスリルを求めているということを私たちは知っています。DB12は、ドライバーが何を望んでいるのかを直感的に理解し、どのような運転の瞬間でも、その最適な組み合わせを確実に提供します。DB12を、スーパーツアラーという新しいカテゴリーのモデルとして差別化を実現しているのは、この総合的な経験値によるものです」
「アストンマーティンのもっとも輝かしい血統に新たに加わったDB12は、未来へと飛躍するブランドを体現しています。その大幅な進化は、DB12のスタイリングに反映されています。完全に新しいフロントエンド、ワイドなスタンス、存在感を高めるためのより筋肉質なボディなどを特徴としています。インテリアも完全に新設計され、すっきりとした水平基調のラインがスペース感覚を強調し、新しい最先端のインフォテインメント・システムにふさわしい現代的なバックボーンを提供しています。非常に新鮮でありながら、紛れもなくアストンマーティンであるDB12は、これまでとはまったく違う、新しい種類のスーパーツアラーです」
「自身の個性をスタイルに反映させたいお客様は、『Q by Aston Martin』パーソナライゼーション・サービスを通じて無限の可能性を探求することができます。『Q by Aston Martin』のデザイナーや職人のスキルを間近で体験するため、お客様はユニークなパーソナライゼーションの旅に出ることができます。この旅は、細かいディテールの変更から、本格的なエンジニアリング、完全にオーダーメイドのコンポーネントの生産に至るまで、あらゆる要望にお応えします。DB12を真にユニークなものにするための無限の可能性を備えた設計チームにとって、実現できないことは何もありません」
ラグジュアリーなインテリアを特徴とするDB12は、アストンマーティンの次世代オーダーメイド・インフォテインメント・システムと最先端のコネクテッド・テクノロジーを搭載するとともに、「Bowers & Wilkins」(バウワーズ&ウィルキンス)のサラウンド・サウンドシステムで至高のオーディオ体験を提供。長い伝統を誇るクラフトマンシップと、最高級の素材を組み合わされている。
コックピットの中央には、ショルダーラインの下にまで達する高いセンターコンソールが設置され、現代的なディスプレイとインタラクティブなアナログスイッチの組み合わせを直感的に操作することが可能。ドライバー中心のコントロール類は、人間工学に基づいてキャビンのセンターラインに沿って配置され、ドライバーとの一体感を実現し、レザーインテリアの老舗「Bridge of Weir」(ブリッジ・オブ・ワイル)の香り豊かな手縫いのレザーを採用した豪華なインテリアは、真のスーパーツアラーの価値を体現してる。このシートは、長距離走行でも心地よい快適性を実現しながら、最大限の運転の楽しみを提供するために必要なサポート性を備えており、新しいキルティング・パターンは、最高品質のフルレザーまたはアルカンターラが採用されている。
インフォテインメントは、自社で設計/開発した、オーダーメイドのシステムを採用。ワイヤレスApple CarPlay™およびAndroid Auto™*をサポートするこの新しいシステムは、車両に完全に一体化されたマルチスクリーンシステムで、素早い応答時間(30ミリ秒)の静電容量式タッチコントロールを備えた10.25インチ・ピュアブラック高解像度スクリーン(1970×720)に情報を表示する。
DB12では、タッチスクリーンによる利便性と、確実な操作フィールを提供する物理スイッチのバランスも重視。ギアやドライブモードの選択、冷暖房やベンチレーションといった主要な機械操作用のスイッチは物理スイッチをそのまま残し、デジタルとアナログの世界を完璧に融合させている。さらに、シャシーやESPのオーバーライドスイッチ、エキゾースト・システム、レーンアシスト、パークディスタンス・コントロール用のスイッチも設置され、もっとも頻繁に使用するコントロールを常に手元で操作することができる。
最新のナビゲーション・システムは、オンライン接続機能を備えており、よりスマートで、より迅速で、より便利な体験を実現。オンライン接続により、ドライバーは簡単にお気に入りのレストランを検索し、レビューを読み、目的地として設定することができる。さらに、自宅にいながらAston Martinアプリで目的地を選択し、それをDB12に送信するだけで旅の準備が可能だ。
落ち着いた色調の新しい3Dマッピングは、車線案内とリアルタイムの交通情報により、ドライバーに直感的で明確なガイドを提供。コネクテッド機能を備えたルート案内により、不必要な遅延も発生しないという。このインフォテインメント・システムの基盤を提供するのが、オンライン接続機能を備え、完全に新しいコンパニオンとして利用可能なAston Martinアプリだ。ブランド初となる2つ新しい機能により、DB12のオーナーは車両とコミュニケーションを取り、対話し、つながることができる。
オンライン接続により、使いやすさと安心感が向上し、無線(OTA)アップデートおよび診断機能を提供。このまったく新しいコネクテッドカー・エコシステムは、e-SIMを介して、グローバル・ローミング4G LTE/GSM 携帯電話ネットワークを通じて接続される。
アストンマーティン最高経営責任者(CEO)のアメデオ・フェリーサは、次のように述べている。
「アストンマーティンのように長い歴史を備えたブランドは、過去を尊重することが重要です。しかし、それは過去を振り返ることではなく、110年前に創業者を突き動かした同じエネルギーと情熱を持って前進することを意味しています。新たなDB12によって、私たちはDBモデルラインナップを再び活性化し、アストンマーティンが真に卓越したパフォーマンスのスポーツカー・メーカーであることを再確認することができます。DB12は、クラスをリードするパフォーマンスと卓越したシャシー・ダイナミクスを、最先端のテクノロジー、完璧なクラフトマンシップ、完璧なデザインと組み合わせることで、アストンマーティンを新時代へと導きます」
最初のデリバリーは2023年第3四半期に開始される予定とのこと。大胆なスタイルを備えたDB12は、独自の新しいカテゴリーを定義し、パフォーマンス、エキサイティングなドライビング、ウルトラ・ラグジュアリーとスタイルの新たなベンチマークであり、DB12は世界初のスーパーツアラーとなるという。