メルセデスAMGの最高峰モデルに位置するAMG GT Rをさらに鍛え上げていく過程で欠かせないキーデバイス。それがBBSジャパンのフラッグシップにあるRI-Dだった。メルセデスチューナーであるファーストのノウハウで設定されたこの足まわりには、問答無用の性能が宿る。
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煮詰めた足まわりでGT Rの性能を引き出す
このAMG GT Rのオーナーは、日頃から積極的に富士スピードウェイに繰り出して持ち前の潜在能力を解放している。かつてはGT Sに乗っていたものの、さらなるタイムアップを追い求めてGT Rに乗り換えたというツワモノだ。しかもツルシの状態では飽きたらない。GTウイングを筆頭とするエアロパーツに始まり、アクラポヴィッチのエキゾーストシステムなどの吸排気、ECUチューニング、そしてKW V4を使ったサスペンションセッティングと、全方位的に鍛え上げられている。プロデュースしたのはメルセデスチューナーの大御所にして、サーキットからゼロヨンまで網羅するメルセデス・チューニングを得意とするファーストである。
そうした中で、オーナーが全幅の信頼を置いてきたのがBBSジャパン製ホイールだった。装着されるのはフラッグシップにあるRI-Dだ。超超ジュラルミン鍛造製法を実用化して早10年あまり。クロススポークを極限まで研ぎ澄ましたかのような造形美が、今もなお最前線に居続ける。彼は過去のGT S時代からずっとRI-Dを取り入れてきた。
しかし、GT Rに対してはひと工夫が必要だった。GTおよびGT Sには、フロント9.0J×19インチ、リア11.0J×20インチのRI-Dが用意される。しかしGT Rとなると65mmも全幅が拡大した2005mmのワイドボディとなり、当然ながらホイールもそれに合わせる必要があった。そこでファーストは他車用に設定されるフロント10.0J×19インチ、リア11.0J×20インチを持ち込んだ。KW V4のセッティング変更、TIKTによるフルピロ化などを含めて、この辺りは速いメルセデスをつくることに長けたファーストのノウハウだ。結果として純正設定よりも太いフロント285/35ZR19、リア335/30ZR20のミシュラン・パイロットスポーツカップ2Rを履くことができた。
このGT Rは、軽量化の類には手をつけていない。つまりホイールにとってみたら、1.7トンに迫る重量級ボディを支えながら、パイロットスポーツカップ2Rがもたらす強烈なグリップ力と、最高出力585ps以上を発揮する強大な出力性能を受け止めなければならない。だからこそRI-Dはその真価を発揮する。充分な強度はもちろん、ドライバーに一切の不安を抱かせない剛性感、そして足もとに何も重量物がないような軽量性能を享受できる。長期的な信頼耐久性も抜群だ。これらはGT S時代からさんざんサーキットを走ってきたオーナーが身を持って体感してきたことである。
単なるドレスアップではなく、性能向上を目的としてRI-Dが投入されたにも関わらず、GTRにのみ設定されるAMGグリーンヘルマグノとイエローキャリパーとの間で、硬派なマットブラックが独特の色気を放つのもいい。抑揚のある5本のツインスポークは、見る角度や光の当たり具合でさまざまな表情を訴えかける。性能、ヴィジュアルともにサーキットマシンに似合うスポーツホイールでありながら、ストリートでも美しく着こなせる足もとだと思う。そうした意味でこのAMG GTRとBBS RI-Dは「速き者は美しい」を体現するコラボにして、街ゆく誰もを振り向かせるような強烈な存在である。
◎サイズ/価格
19inch×8.0~12.0J/255,200~287,100円(税込)
20inch×8.5~11.5J/293,700~319,000円(税込)
21inch×9.0~10.5J/331,100~341,000円(税込)
◎カラー
ダイヤモンドシルバー(DS)/ダイヤモンドブラック(DB)/マットブラック(MB)/ダイヤモンドゴールド(DG)
◎対応車種
メルセデス・ベンツ/BMW/アウディ/ポルシェ/フェラーリ/その他国産車等