【Tipo】誰もを笑顔にしてしまう、和み系自動車の両横綱! フィアット500&ローバー・ミニはいつの時代も人気者だった‼ -後編-

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2代目フィアット500とクラシック・ミニは、共に本誌でこれまで数多くご紹介してきた。カワイイ外観と走りの楽しさで、共に誕生から60年以上を経た今も、多くの人を魅了してやまない。後編となる今回は1997年式ローバー・ミニをピックアップ!

【Tipo】誰もを笑顔にしてしまう、和み系自動車の両横綱! フィアット500&ローバー・ミニはいつの時代も人気者だった‼ -中編-はコチラ

物質的な豊かさを超えた精神的な豊かさを感じる

乗り換えたミニは1997年式で、偶然にも500Fの30年後に作られた正規輸入車。インジェクション仕様クーパーのヘリテイジコレクションで、アーモンドグリーンのカラーがなんとも英国らしい。インテリアも同じアーモンドグリーンのレザーを、ウッドのインパネやドアキャッピングに組み合わせていて、クラシックホテルの一室を思わせる。

タコメーターやクーラーは付くものの、今のスモールカーと比べればこちらも仕立てはあっさり。でも500と同じで、物質的な豊かさを超えた精神的な豊かさを感じる。

ドライビングポジションは500より慣れが必要かもしれない。ペダルが内側に寄っているうえに、ステアリングが極端に上を向いているからだ。でもイシゴニスが生み出した革新的なパッケージングの結果であることを思い出すと、自然と納得する。500もそうだが設計者の顔が見えるから、クルマにぞっこんになれる。

インジェクション仕様なので始動はキーを捻るだけ。でも掛かった瞬間、硬質な振動がキャビンに伝わり、ノンオリジナルのマフラーからはくぐもった低音が響く。1950年代生まれのエンジンであることを濃厚に伝える息吹は、今ではブリティッシュスポーツと呼びたくなるほど骨っぽい。

【写真13枚】その独特なゴーカートフィールは一見の価値あり、ローバーミニの詳細を写真で見る

試乗車はAT仕様だった。それでも現在の軽自動車の枠内に楽に収まるボディに1.3Lだから、加速は充分すぎるほど。でもそれは絶対的なパワーより、スロットルペダルを踏み込むと同時に音と振動を乗り手に伝えつつ、間髪を入れずにダッシュを始める瞬発力によるところが大きい。

MT同様オイルはエンジンと共用なので、暖気をしっかりする必要はあるものの、暖まればスムーズなイージードライブが味わえる。サイズはコンパクトだし、クーラーも付いているから、クラシックなシティコミューターとしての役目も果たしてくれそうだ。

ただしステアリングは低速ではそれなりに重い。モディファイの定番であるハイローキットを入れ、車高を気持ち下げているので乗り心地は固め。このあたりはハイローキットの調節の他、ラバーコーンを変えたりコイルに交換したりして改善できるはず。

とはいえクイックなハンドリングを知ると、やっぱりそのキャラクターを伸ばす方向で仕立てたくなる。エンジンやステアリングと前輪との直結感はいつもながら濃厚。それを手足で味わいながら四角い車体を操る。なぜゴーカートフィールという表現が生まれたか、体で理解できる。

平成時代はエコカーの時代だったかもしれない。しかし同時に自転車に再び注目が集まり、カーシェアリングなど新たなクルマの使い方が出現した。エコモビリティが多様化した30年間でもあった。

では令和時代はどうなるか。自分で買って乗るマイカーに、他では得られないクルマらしさを求める人が増えるのではないかと思っている。街乗りであっても操る歓びを感じさせてくれるから、進んで愛車にしようという気持ちになる。

500とミニがその最右翼に位置していることは言うまでもない。半世紀以上前に生まれた2台は、これからもクルマ趣味には欠かせない存在であり続けると考えている。

【SPECIFICATION】1997年式ローバー・ミニ・クーパー1.3i
■全長×全幅×全高:3075×1440×1330mm
■ホイールベース:2035mm
■トレッド(F/R):1235/1200mm
■車両重量:740kg
■エンジン:水冷直列4気筒OHV
■総排気量:1271cc
■最高出力:53PS/5000rpm
■最大トルク:9.3kg-m/2600rpm
■サスペンション(F/R):ウイッシュボーン/トレーリングアーム
■ブレーキ(F/R):ディスク/ドラム
■タイヤ(F&R):145/70R12

伝統のロングツーリング企画!?

2014年2月に行われたソチ冬季オリンピック。ロシアのソチで熱戦が繰り広げられているのと同タイミングで、ミニに編集部員3人が乗り込み、本誌お得意のロングツーリング。行先は、新潟県柏崎市にある、その名も曾地(!)。真冬とはいえ、年式の新しいミニでの小旅行は、500に比べ快適。

撮影:奥村純一 ティーポ360号より転載

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