2代目フィアット500とクラシック・ミニは、共に本誌でこれまで数多くご紹介してきた。カワイイ外観と走りの楽しさで、共に誕生から60年以上を経た今も、多くの人を魅了してやまない。それはこれからも変わらないだろう。
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キュートなコンパクトカーは、いつの時代も人気者だった!
いままで何度、この2台に乗っただろう。そう思ってしまうほど、クラシック・ミニと空冷リアエンジンのフィアット500はティーポの常連だった。でも今振り返ってみると、僕が関わった取材では多くは単独ではなく、ベーシックカー比較みたいな企画で取り上げたことが多かった。
もっとも良く覚えているのは、この2台にフォルクスワーゲン(VW)ビートルとシトロエン2CVを加えた、戦後のベーシックカー四天王と呼びたくなる4台。この組み合わせ、僕が姉妹誌カー・マガジン編集部にいたときに企画した内容と同じで、当時はミニがまだ新車で買えたという昔話なのだが、あれから30年近く経っても評価が変わらないというところに、2台の凄さがあると思う。
デビューした年は500が1957年で、ミニは今年がその2年後の1959年と近い。でもそれ以外はかなり内容が違う。
ミニは現在のスモールカーの定型になっている水冷直列4気筒横置き前輪駆動なのに対し、500は空冷直列2気筒をリアオーバーハングに縦置きして後輪を駆動する。500は後継車126の登場に伴って1975年に生産を終了したが、ミニは後継車のクラブマンやメトロ、ローバー100が先に生涯を終える中、2000年まで作られた。
500は一貫してフィアットがメーカーだったのに対し、ミニは誕生時はBMCで、その後BMH〜BLMC〜BL〜ローバーと紆余曲折を経たことを考えれば、良く長生きしたと思う。水冷4気筒フロントエンジンだったことが大きいかもしれないが、最後はキャブレターをインジェクションに換え、エアコンまで装備したというのは、基本設計が1950年代ということを考えると驚きだ。
一方でこの2台には共通している部分がある。モータースポーツで活躍したことだ。フィアットはアバルト、ミニはクーパーという素晴らしいパートナーと巡り会えたことで、フィアット・アバルト595/695はツーリングカー・レースの小排気量クラスで欠かせない存在になり、ミニ・クーパーはサーキットのみならずラリーフィールドでも活躍した。
もともとベーシックカーとして生まれた2台がこうしたシーンでおなじみの存在になれたのは、走りが良かったからだ。500を手がけたダンテ・ジアコーザ、ミニの生みの親であるアレック・イシゴニスはやはり、自動車史に残る名設計者なのである。
しかもボディは小柄でパワーが限られている分、日常的なシーンでも走りを満喫できる。大きすぎる、速すぎるクルマが目立つ昨今では貴重な存在でもある。
さて、引き続き中編と後編では実際に1967年式フィアット500Fと1997年式ローバー・ミニを取り上げ、両車の魅力に迫っていこうと思う。
(中編・フィアット500Fに続く)
Tipoの表紙を飾ったチンク達
フィアット500は、本誌の表紙に登場することが少なくなかった。チンクが表紙に掲載されると、条件反射的に「楽しそう!」と思えるから不思議だ。ボーイズレーサー、中古車、ナゴミ系、ヒストリックカーと、様々な特集にマッチするキャラが、登場回数の多さに結びついている。
Tipoの表紙を飾ったミニ達
クラシック・ミニは、特に本誌創刊直後に何度も特集のテーマとなった。またBMW製ニューミニが発売されてからも、両方を同時に紹介したり、あえてクラシック・ミニだけを取り上げたりしてきた。登場から60年、生産終了から20年が経つが(掲載時)、これからも注目し続けていきたい。
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