築150年の木造住宅を活かしたガレージハウス! DIYでSDGsのガレージを楽しむ。【ガレージライフ】

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DIY作業でガレージづくりのコストを極力圧縮。家族も納得のガレージのある生活に。

滋賀県の市街化調整地域に暮らすHさん。新たに建築することがむずかしい地域に、築150年の木造2階建ての古民家で家族6人で暮らしている。10年前に道路に面する土間に仕事場スペースを作るためにリフォーム。独立してサラリーマンを辞めた30歳のとき、50歳になったらポルシェに乗ろうという思いを抱き、51歳でその夢を実現。クルマの購入をきっかけにカーポートの設置を考えて見積を取ったが、積雪地域のため想像以上にコストがかかることが判明。それなら事務所として使用していたスペースを、床を剥がしてシャッターを設けることでインナーガレージにリノベ―ションできないかと模索した。

【写真21枚】SDGsな、築150年前の木造住宅を活かしたガレージハウス。 

相談したのは10年前にリフォームを依頼した地元の工務店「ハートフル工房」。実は、事務所として使っていたスペースを、床をはがしてガレージシャッターを設ければ、ガレージになるとHさんは考えていた。いまあるものを再利用することでSDGs(持続可能な開発)と考え、築150年前の木造住宅を活かしたガレージハウスを計画。古民家には躯体の柱と梁があるので、最大の間口は2,700mmしか取れないとことがわかっていた。その間口でポルシェ・ケイマンの出し入れができるかがポイントとなった。

ケイマンの横幅は1,800mm。シャッターの間口2,700mmに対して900mm、片側が450mmでクルマの出し入れをすることとなった。事務所の床面をクルマが入るスペース分はがしてクルマが入るようにレベルを合わせ、壁面を開口シャッターの設置までを「ハートフル工房」が施工。ここまででコストは約50万円。出来上がった時にクルマを45cm上から眺めることに感動を覚えた。そこからHさんの手によりOSB合板を使ってDIYの作業がスタートする。

事前に造作物の設計図を作りホームセンターの木材カットサービスを利用し切断してもらいその部材を電動ドリル、ドライバーを使い組み立てたという。最初は壁面を造作することからスタートしたが、だんだん作業が進みガレージが進化する楽しみを覚えるとお酒をストックするための棚、ビールサーバー、コーヒーサーバー、そして間仕切りのための目隠しルーバーのドアなど複雑な作業をこなすようになる。

2階の趣味部屋にはミニカーを飾るための棚も。これもなんと自作だという。また事務室にも棚を設置するなど細かな収納スペースを造作。ガレージのほかに棚にハンガーラックを設置してウエアなどもガレージに保管できるように変更。Hさんいわく、「DIYは計測が命です。計測と切断がうまくいけば、ほぼ成功」という。ガレージが完成してガレージに友人たちと滞在することが多くなったため、焼き肉などができるように換気扇とホースを使用して排煙ダクトを造作するなど、アイディアが光る。ガレージの床には「TECH TILE」製のタイルを敷き詰めている。

約2年の歳月をかけてガレージは進化してきたが、まだまだ終わりではないという。Hさんは医療系のNPO法人の理事を務める傍ら、ソフトテニスの現役プレーヤーであり自身のクラブも運営、そして中高生たちのコーチも勤めるなど多忙な日々を送る。壁面の写真を見ても友人たちを招いて遊んだり、ポルシェでツーリングに出かけるなど楽しんでいる。コストこそ初期の工事の50万円のスタートにOSB合板60枚のコストとリーズナブルであるが、LIXIL製のガレージシャッターを開けると圧巻の別世界が広がっている。Hさんのアイディアが際立つSDGsガレージは、愛情と工夫が詰まったガレージだ。

◆Planning Data
 所在地:滋賀県
 敷地面積/延床面積:290平米/118平米
 ガレージ面積:24平米
 外装/内装仕上げ:ガルバリウム鋼板(ガレージ)/OSB合板(ガレージ)
 竣 工:2020年12月
 愛 車:2006年式 ポルシェ・ケイマンS
     2009年式 レクサス・IS250

『ガレージのある家 Vol.49』掲載

photo / Ryotaro SHIMIZU(清水良太郎)  text / Jun ISHIHRA(石原 淳)

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