ピックアップトラックのFCEV化もトヨタが先陣を切る!「タンドラ」や「ハイラックス」がベースの燃料電池車が続々登場

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燃料電池車の量産化に向けた動きが今後さらに加速するか!?

ここへきて、トヨタの燃料電池車戦略が大きく前進した。新しいコンセプトモデルが一気に2台登場したのだが、それらがなんとピックアップトラックなのだ。
まず、北米市場向けのフルサイズピックアップトラック「タンドラ」を使ったキャンピングトレーラーから紹介する。同車が表舞台に出たのは、スーパー耐久シリーズ2022最終戦(2022年11月27日決勝)が行われた鈴鹿サーキットだ。今シーズンは、トヨタを含めたメーカー各社が次世代パワートレイン開発をレースを舞台に行うという異例の試みをしている。こうした活動に連動して、スーパー耐久シリーズでは毎戦、観客やメディアが実車に触れることができる形でコンセプトモデルや量産車が展示されてきた。
そんな展示スペースで今回、タンドラを使った「FCEVトーイングマシン」というコンセプトモデルがお披露目された。トヨタ関係者によると、燃料電池のユニット、モーター、リチウムイオン電池、そして水素タンクなどの燃料電池車としての主要コンポーネンツは、基本的に「MIRAI」搭載機器を応用したもの。ただし、トーイング(牽引)するために水素の消費量も多くなるため、水素タンクはMIRAIの3本に対して2本増やし5本とした。また電池パックの容量も56kWhに拡大している。

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燃料電池で発電した電気は、ホンダ製の給電システムを使い牽引するキャンピングトレーラーに送っている。水素を満充填した状態だと、停車状態のキャンピングトレーラーでの約10日間分の発電量を賄うことができるという。トヨタ関係者は「水素を、作る、運ぶ、使う」という発想の中で、こうしたトーイングを使った方法だと「運ぶ、使う」を「見える化」することができるという発想が企画の原点にあると説明する。
量産化については、水素タンク5本がピックアップトラックの積載スペースを狭めていることもあり、「現時点ではあくまでも技術実証のためのコンセプトモデル」という位置付けという見解だ。
また、トヨタモーターマニュファクチャリング(英国)は2022年12月2日、英国政府による次世代車開発に対する補助金制度を活用し、「ハイラックス燃料電池コンセプト」の開発を進めることを明らかにした。同社の資料によれば、搭載する水素タンクは3本でMIRAIと同じだ。欧州を起点に、アメリカ、中国、そして日本に影響するZEV(ゼロエミッションビークル)義務化の流れで、多様な燃料電池車の量産化に向けた動きが今後、さらに加速しそうだ。

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