最新号! 『Tipo』386号の特集は「I love Japanese cars」。日本は世界屈指のスポーツカー王国! 軽自動車からスーパースポーツまで、各ジャンルにスポーツカーがラインナップされているが、Tipoではそんな世界に誇るジャパニーズ・スポーツカーを大特集。ここではその中身をチラ見してみよう。
かつて乗用車メーカーとしても一時代を築いたいすゞ自動車は、前世紀末から2000年代初頭にかけて、英国ロータスとのコラボを構築した。
海外の自動車メーカーのテクノロジーが、日本のクルマ作りに導入される。逆に日本のメーカーの技術が、海外の名門に登用される。その両方を実現したのが、かつては素晴らしい乗用車も生み出していたいすゞ自動車と、英国ロータスのコラボである。
今回は、大人気スポットとなった「いすゞプラザ」の企画・建設のデザインディクレクターを担当し、現在ではいすゞ本社で広報を担当。その一方プライベートでは、いすゞとロータスのコラボの結晶である「M100エラン」を30年に亘って愛用する中尾博さんに、エランへのエンジン供給について、そして結果としてその序章となった「ジェミニZZハンドリングbyロータス」誕生までのエピソードを伺うことができた。
中尾さんは、デザイナーあるいは商品企画の担当者として、長らくいすゞのクルマづくりの最前線にいた人物。その最初の仕事が、’87年の東京モーターショーで発表されたJT190系ジェミニZZハンドリングbyロータスだった。
いすゞでは、伝統的に若手スタッフを積極的に登用する企業文化があったそうで、英国のロータスとコラボするというこのプロジェクトも、当時の若手たちのアイデアからスタートしたという。そして入社間もない中尾さんも、個人的にロータス・ヨーロッパを愛車とするエンスーだったこともあって、このプロジェクトに抜擢。ロゴバッジのデザインなどを任されることになる。
ドイツのチューナーの手を借りたイルムシャーが、硬派のスポーツ指向だったのに対し、ロータスにサスペンションのチューンを委託したZZでは「小さな高級車」の要素も盛り込み、快適さも両立させたセッティングを目指したとの由。また、BBS社製のアロイホイールやMOMO社製のステアリング、レカロのシートなど高級な輸入パーツを用いた。この内、レカロ社製シートはイルムシャーでも採用されていたのだが、ZZではツイード調の生地を採用。これも英国風にシックな雰囲気を目指したものだという。
二代目FFジェミニ全体の大成功も相まって、ZZも予想以上のヒットを収めた。そしてこの成功が、1989年に発表、’90年から市販された「Newエラン」ことM100につながってゆくのだ。
続きは、2022年9月6日(火)発売の『Tipo 386号』で!
『Tipo (ティーポ) 386号』 2022年10月号
定価:880円
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