なんとアメリカ仕様化でレアな限定車を再現!タミヤ製「FC3S型サバンナRX-7」をアニバーサリーモデルに!【モデルカーズ】

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スポーツカーとしての本格度を増した2代目

マツダ・サバンナRX-7の2代目モデル、FC3型は、1985年10月に登場した。「2代目」となるのは、もちろん1978年デビューのサバンナRX-7を初代とするからであるが、そのルーツとしては1971年登場の、サブネームの付かないサバンナがある。サバンナは4ドアセダンやワゴンもラインナップしていただけに、クルマとしての性格付けが異なることから、これを初代としてFC3Sを3代目とする数え方はしないようだが、いずれにしろサバンナの名を持つ車種は徹頭徹尾ロータリーエンジン専用車であった。

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さてFC3S型は、初代RX-7であるSA22Cを正常進化させたモデルと言ってよいだろう。ボディは大きなグラスハッチを持つ2ドア・クーペ、しかもリトラクタブルライトを装備したものということで、これは先代から変わらない。全体にグラマラスな造形となったのが目を引く違いで、ブリスターフェンダーが特徴的である。もちろんボディサイズは初代より若干拡大されている。

フロントミッドシップのFR車であることも同様であるが、プラットフォームが完全に新設計のものとなっている。先代ではリアサスペンションがリジッドである点に古めかしさが感じられたのに対し、FC3Sではセミトレーリングアームの独立式へと一気に変化。このリアサスペンションにはトーコントロールハブという技術が導入され、マツダでは「4WS感覚」を謳っていた。なお、フロントサスは先代同様にストラット式だ。

搭載エンジンは、先代の12Aから変わって排気量の若干大きい13B(654cc×2)に刷新された。インタークーラー付きターボが装着され、最高出力は185psを発揮。こうしてパワーアップしたエンジンと、前述のシャシー技術の向上により、スポーツカーとしての完成度をさらに高めていたのである。その後は、スパルタンな特別仕様車として2シーター・215psエンジンの∞(アンフィニ)を限定販売したり(合計8回)、カブリオレを追加したり、またマイナーチェンジで通常モデルのエンジンを205psへと出力アップするなどしながら、初代同様7年にわたって生産されたのである。

タミヤ製キットをベースに細部をあれこれ改修
さて、ここまで日本国内の仕様を中心に解説してきたが、ここでお見せしているのは、北米仕様のRX-7(「サバンナ」は付かない)を再現した1/24スケールのプラモデル作品である。この作例が再現しているのは、RX-7 10thアニバーサリー・エディションというモデル。1978年のRX-7デビューから10年を記念して、1988年に北米市場で1500台限定として発売されたもので、TURBOⅡと呼ばれるターボモデルをベースとしたものである。

全身白づくめのルックスがこのモデルの特徴で、専用デザインの16インチ7スポーク・ホイールや、本来ブラック処理のウェストモール、テールレンズのフレームまでもがクリスタルホワイトでペイントされ、より一層の特別感を漂わせている。内装は輸出仕様の特徴でもある2シーターをベースに、「10th~」文字の型押し加工されたステアリングや、MOMO製のシフトノブなどが奢られ、シートはブラックレザー仕立て。ウィンドウは北米モデルでは唯一のブロンズガラスであった。

FC3Sの1/24キットは、タミヤにアオシマ、フジミがあるが、この作例はタミヤ製のRX-7でこの限定モデルを再現している。このモデルの再現で最大のネックとなる専用ホイールは、ウクライナのDiolex Productionと言うブランドから、そのものズバリのパーツとして発売されているもの。作者曰く、「このホイールを見つけたのでこの限定車を制作した、と言った方が正しいかもしれない」とのこと(ここではあくまで余談ではあるが、このメーカーの方々の現状が気遣われる……)。タイヤはタミヤ製70スープラから流用したグッドイヤーを履かせている。

フロートタイプのリアスポイラーはアオシマ後期型の部品を加工流用。北米仕様のドアミラーも、キットパーツにエポキシパテの盛り削りで再現した。面白いのは、国内ではスモールランプとなるフロントレンズが、輸出仕様では素通しとなり、平行に昇降するヘッドライトが、内部に格納された状態で透けて見える点だ(ライトを上下させずにこのレンズを通してパッシングができる)。作例でもバンパーをくり抜き、中央の固定ピンを切除したレンズを嵌め込んだ。実車は内部が透けているためレンズが暗く見えるので、スモークを塗装し雰囲気を近づけている。

ガラスのブロンズ色は少量のオレンジとブラックをクリアーで割って調色、薄く徐々に色を着けている。クイックモーターライズ版のキットがあれば、その流用も可能であろうとのことだ(透明部品がスモーク色成型だった)。エンジンルームのデカール類は北米モデルに合わせた自作品に置き換え、フェンダーに備わるローター型のエンブレムも、自作デカールとプラ板の組み合わせで自作している。これら工作の詳細については画像のキャプションでも説明しているので、そちらもお読み頂きたい。

作例制作=飯塚健一/フォト=服部佳洋 modelcars vol.293より再構成のうえ転載

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