現在日本では、およそ80種類にもおよぶ魅力的なドイツ車が販売されており、エンジンタイプやグレードの違いを含めれば、その選択肢は無限に広がる。そんな中で、実際にどのモデルが一番オススメなのか? と悩まれる方も多いはず。そこで、多くの試乗経験を持つ『ル・ボラン』執筆陣にアンケートを実施。その集計結果により、総合ベスト10を発表! 一番オススメのモデルは果たして!?
取り回しの良いボディに鍛え抜かれた心臓。これぞ究極のドライビングマシン!
現行型のBMW M4は’21年に国内導入をスタートした。シリーズ史上、随一となるアグレッシブなルックスに加え、鍛え上げられたパワートレインと、その巨大なパワーを受け止める盤石のシャシーを採用。公道では無敵ともいえるモデルに仕上がっている。
萩原秀輝氏:「電動化される前にぜひ体験しておくべき」
特にオススメなモデル「M4クーペ・コンペティション」
トップ10のアンケートではM4の武闘派ぶりを評価したが、いま買いな理由としては電動化されていない世界で唯一の超高性能な直列6気筒エンジンを搭載することも見逃せない。理論的にはゼロ振動が実現できる直列6気筒、全エンジンがV型6気筒なりそうな勢いがあってもBMWはこだわり続けてきた。
ところが、近年では直列6気筒エンジンを新開発してくるメーカーが増えてきている。ゼロ振動というだけで回帰したわけではないものの、BMWのこだわりが正しかったことを証明してくれているようなものだ。
しかも、M4はMハイパフォーマンス・モデル専用となる新開発の直列6気筒を搭載している。このS58型、やはり「アクセルをもっと踏んでみろ」とばかりに誘いかけてくる。クォーンという排気音は、5,500rpmを超えると排気の抜けがよさそうなカーンという高周波サウンドに変わる。その先を試したくなり、アクセルを踏み続けてしまうわけだ。
そして、快音を響かせながら7,200rpmから始まるタコメーターのレッドゾーンを赤い針が切り裂こうとする。トルクをエンジン回転数によりパワーを置き換える劇的ともいえる刺激をサウンドで表現。電動化される前に、ぜひ体験しておくべきだ。
【写真5枚】”ドライバーにクルマを走らせている充実感をもたらす”一台。
藤島知子氏:「後輪駆動の設定に感謝したい」
特にオススメなモデル「M4クーペ・コンペティション」
クルマが地球環境と共存する上で、スポーツカーでさえ電動化が避けられないものだとすれば、今だからこそ体感しておきたいエンジンのひとつがBMWの直列6気筒。『ル・ボラン』読者なら、もはや説明は要らないかも知れないが、完全バランスと称され、多くのエンスーたちを魅了してきた直列6気筒エンジンは緻密な回転フィールと振動の少なさ、エンジン回転の高まりとともに官能的な音色を奏で、ドライバーにクルマを走らせている充実感をもたらしてくれる。一般道をゆったりと流しているだけでも心地いい。
そんな直列6気筒を搭載するモデルの中で感銘を受けたのがM4だ。後輪駆動と四輪駆動のxDriveが設定されているが、”ハイパフォーマンスモデル=四輪駆動”が一般的になってきたいま、ハイスペックなM4に後輪駆動が残されていること自体に感謝したい。アクセルを深く踏み込むと、後輪が力強さとともに車体を前に押し出していく。
ワインディング路では欲しいだけのトラクションを右足のペダル操作でコントロール。カーブの入口でステアリングをスッと切りこみ、立ち上がりでアクセルをジワリと開けていく。クルマと一体となって走れる歓びはドライバーの意思が直接クルマと繋がっているようで心が躍る。
◆Specification「BMW M4クーペ・コンペティションM xDrive カブリオレ」
全長×全幅×全高=4,805×1,885×1,395mm
ホイールベース=2,855mm
車両重量=1,930kg
エンジン種類/排気量=直6DOHC24V+ツインターボ/2,992cc
最高出力=510ps(375kW)/6,250rpm
最大トルク=650Nm(66.3kg-m)/2,750-5,500rpm
トランスミッション=8速AT
サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
タイヤサイズ(F:R)=275/35R19:285/30R20
車両本体価格(税込)=14,630,000円
問い合わせ先=BMWジャパン:0120-269-437