F1イギリスGPに並ぶ人気を誇るモータリング・イベント、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードが開催された。今回も数多くの新型車の発表など話題にこと欠かない週末となったがその最大のトピックは“大英帝国の息子”と呼ばれたF1王者の復活であった。
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BMW M3ツーリングのお披露目で開幕!
イギリス最大級のモータリング・イベントとして知られるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)。思えば昨年はギリギリまで開催の正式発表が遅れ、観客数も最大収容人数の75%に絞られるなど、かなり多くの制約が設けられていたが、今年は一切の規制がない完全な形での開催となった。
そもそもはBMWモータースポーツ社として1972年に設立されたBMW M社。グループ5を戦った320iターボ、グループAの635CSiなど歴代レーシングマシンが勢揃いした!
今回のフィーチャー・メイクスとなったのは、今年で設立50周年を迎えたBMW ”M”。それに合わせ、来年からLMDhクラスへの参戦を予定しているBMW MハイブリッドV8がモニュメントに据えられたほか、イベントのオープニングでは主宰のリッチモンド侯爵を招き新型M3ツーリングのワールドプレミアも行なわれた。
そんな今年のFoSで最も話題をさらったのが、1992年のF1ワールドチャンピオン、ナイジェル・マンセルの登場である!
1992年当時のレーシングスーツに身を包み久々に姿を見せたマンセル。腰掛けているのは1988年にジョン・バーナードが試作したセミAT搭載のF1マシン、フェラーリ639だ。
かつてセナvsプロストの対決で沸いた1980〜90年代のF1シーンで“暴れん坊”と呼ばれたアグレッシブなドライビング・スタイルと、愛嬌ある言動で日本にもファンの多かったマンセルだが、近年は公の場に姿を見せる機会がほとんどなかった(FoSに参加したのも2006年以来)だけに、会場はマンセル一色といっていいほどの盛り上がりとなった。
「ファンの盛り上がりはイギリスGPみたいだね! チャンピオン獲得30周年の節目にこうした場に戻って来れて嬉しいよ」
会場の中心にあるグッドウッド・ハウスの前に集まった多くのファンの前で喜びを語ったマンセルは、1988年に試作された幻のF1マシン、フェラーリ639を皮切りに、少年時代に憧れたという1963年にジム・クラークがチャンピオンを獲得したロータス25、そして自身の栄光のチャンピオン・マシンである1992年型ウィリアムズFW14Bルノーをドライブ。改めて”本物の凄み”を見せつけてくれた。
ちなみにマンセル自身が所有していたFW14Bは5月のRMサザビーズで彼の他コレクションとともに売却されているが、今回用意されたのはウィリアムズが所有するもので、往時と同様にアクティブ・サスペンションが稼働する唯一のオリジナル・スペックをもつマシンでもある。