最強の輸入プレミアムSUVはどれだ⁉ カイエン・ディフェンダー・XC60・グランドチェロキーの各国代表を集めてイッキ乗りしてみた

終始スマートな印象のボルボXC60

スウェーデン車のボルボも、北欧デザインの真価が実感できるまさに情緒派だ。また、近年では電動化を積極的に展開し環境性能に配慮した理論派でもある。

試乗車となったXC60リチャージ(正式名称は別)は、フル充電ならWLTCモードで81km走るので日常はエンジンの出番がない。リアに積むモーターは309Nmものトルクを発揮するが高性能ぶりをひけらかさず、アクセル操作に対する力強さの立ち上がりはスムーズそのものだ。

その一方で、アクセルを深く踏めば2Lの直列4気筒ターボエンジンが始動。同時にモーターがブースターとして機能し、刺激的な加速が楽しめる。だが、荒々しさとは無縁であり武闘派とは距離を置くあたりがボルボらしい。

北欧デザインらしくインテリアの仕立てはシンプルでいてエレガント。室内のスペースはDセグメントのSUVとしてはかなり広い。荷物スペースも広大であり手前側の両端に窪みが設けられゴルフバッグなどの長尺物が積みやすい。フロントにもスターターとしての機能も兼ねるモーターを組み合わせる。

モーター走行時は、優れた静粛性を実現する。タイヤのロードノイズやパターンノイズは、高剛性ボディと吸遮音材に最適配置により抑え込むからだ。

サスペンションは、適度に引き締まった設定となる。ステアリング操作に対するハンドリングの正確さが確かめられ、コーナリング中のロールは最小限に抑えられている。スポーティではあってもステアリングの切れ味がスッキリと軽やかなので、身構えるような走りには誘わないことも魅力だ。

【Specification】ボルボXC60リチャージ・プラグインハイブリッドT6 AWDインスクリプション
■全長×全幅×全高=4710×1900×1660mm
■ホイールベース=2865mm
■車両重量=2180kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ+モーター/1968cc
■最高出力=253ps(186kW)/5500rpm
■最大トルク=350Nm(35.7kg-m)/2500-5000rpm
■モーター最高出力(F:R)=70ps(52kW)/3000-4500rpm:145ps(107kW)/3280-15900rpm
■モーター最大トルク=165Nm(16.8 kg-m)/0-3000:309Nm(31.5kg-m)/0-3280rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=255/45R20:255/45R20
■車両本体価格(税込)=9,340,000円
■問い合わせ先=ボルボ・カー・ジャパン ☎0120-922-662

フォト=宮越孝政/T.Miyakoshi ルボラン2022年8月号より転載

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萩原秀輝
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