この走りはまさしく”ミニSクラス”
現行Cクラスのワールドプレミアは2021年2月末。セダンとワゴンが同時にお披露目され、それから1年も経たずしてPHEVのC300e(日本ではC350e)とオールテレインが追加となった。これほどの短期間でここまでのバリエーションを拡充するのはCクラス史上初めてのことである。
年内には日本へも導入される予定のC300eには、昨年のEQSの試乗会で試すことができた。M254の直列4気筒エンジンと9Gトロニックの組み合わせで、トルクコンバータの代わりにモーターを配置している。エンジンは204ps/320Nm、モーターは129ps/440Nmをそれぞれ発生するポテンシャルを有しており、システムパワーは312ps/550Nmと公表されている。ラゲッジルーム下に置かれた駆動用バッテリーの容量は25.4kWh。これにより約100kmの航続距離を実現した。
満充電であれば、C300eは基本的にEVとして振る舞う。静粛性の高さと重い車重がいい方向に影響して快適な室内空間と乗り心地を提供する。モーターによる駆動特性をあえて内燃機のような穏やかなセッティングとしているので、動力性能にも上質感が感じられた。”ミニSクラス”と称するに値するCクラスである。
まずは43がデビュー、さらに上をいくモデルも?
Cクラスファミリーの最新作として4月に加わったのがメルセデスAMGのC43 4MATICである。これもまたセダンとワゴンが同時発表となった。
エンジンはM139l。M139はAクラスなどに搭載される横置きの2L直列4気筒エンジンだが、末尾に付く”l”は”縦置き”を意味している。M139は横でも縦でも使えるユニットだったのである。もうひとつの特徴は、48Vを使った電動ターボを装備している点。これにより、ターボの最高回転数は最大175000rpmに達するという。トランスミッションは湿式多板クラッチを用いるAMGスピードシフトMCT9Gで、ベルト駆動のスタータージェネレーターをモーターとしても利用。最高出力408ps、最大トルク500Nmを発生する。さらに瞬間的に状況に応じてモーターの14psをブーストとして上乗せできるそうだ。0-100km/hはセダンが4.6秒、ワゴンが4.7秒。最高速は250km/hでリミッターが作動するものの、オプションのAMGドライバーズパッケージを組み込むと265km/hまで到達するようになる。
これはあくまでも「43」であり、おそらくその上のモデルも控えているはず。Eパフォーマンスを名乗る仕様が登場するかもしれない。
【Specification】C220d AVANTGARDE
■全長×全幅×全高=4755×1820×1435mm
■ホイールベース=2865mm
■車両重量=1780kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1992cc
■最高出力=200ps(147kW)/3600rpm
■最大トルク=440Nm(44.9kg-m)/1800-2800rpm
■トランスミッション=9速AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:5リンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=225/50R17:225/50R17
■車両本体価格(税込)=6,820,000円
【Specification】C220d STATIONWAGON AVANTGARDE
■全長×全幅×全高=4785×1820×1455mm
■ホイールベース=2865mm
■車両重量=1850kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1992㏄
■最高出力=200ps(147kW)/3600rpm
■最大トルク=440Nm(44.9kg-m)/1800-2800rpm
■トランスミッション=9速AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:5リンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=225/50R17:225/50R17
■車両本体価格(税込)=7,050,000円
【Specification】C220d 4MATIC ALL-TERRAIN
■全長×全幅×全高=4760×1840×1495mm
■ホイールベース=2865mm
■車両重量=1900㎏
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1992cc
■最高出力=200ps(147kW)/3600rpm
■最大トルク=440Nm(44.9kg-m)/1800-2800rpm
■トランスミッション=9速AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:5リンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=245/45R18:245/45R18
■車両本体価格(税込)=7,960,000円