排気、オイル漏れ……旧車ならではの「ガレージあるある」を住宅のプロに聞いた。
岩手県盛岡市。『セルコホーム岩手中央』の展示場に、タイプ2が入ったガレージハウスが竣工した。ガレージには仙台のVWショップ『ヘッドロックモータース』が仕上げた1964年式タイプ2が、ニューペイントになって入庫している。新車と比べると扱いに少々気を遣う、旧車のためのガレージのポイントを伺った。
まず、ガレージで何をしたいかの目的を考えてみよう。メンテナンスなどの作業場とするのか、母屋からクルマを眺めていれば満足するのかなどにより、仕上げ方や導入する設備に差が出てくる。ただし、基本を押さえておけばあとでアレンジできるので安心を。では、その基本とは何だろう? それはずばり「オイル漏れ対策」だ。
フォルクスワーゲンをはじめ、旧車と呼ばれるクルマには、オイル漏れの心配がつきものだ。そこでモルタル仕上げのままだと、オイルが染みてなかなか落ちない汚れとなる。できればさっとオイルを拭ける仕上げにしよう。ここ「MORIOKA BASE」の場合は、デザインコンクリートを施工している。
また排気ガスもガレージに籠らないような対策が必要だ。換気扇が1基でもあれば問題ないと思われる。エンジンの調整をする場合には、ガレージドアは開けっ放しにして一酸化炭素中毒にならないように気をつけよう。
あとはライティングも肝心だ。スポットライトのほうがクルマが恰好よく見えるが、クルマのメンテをする場合は断然蛍光灯のほうが手元が明るくなる。ここが、ガレージを使用する目的を考慮する、重要な理由だ。
スペースに関しては、よく使う工具やウエスなどは手に取りやすい位置に配置することも必要だ。さらにクルマのメンテに際しては広いスペースが必要なので、幅は左右に1m余裕があるのが理想。あまりキチキチにクルマを入れると、車庫入れがおっくうになるほか、まず乗り降りが不便となる。
展示場のタイプ2が入ったガレージは、本来は2台が入るスペースを確保したので、十二分に余裕がある。ガレージからシャッターを開閉しないでも母屋にアクセスできるで、雨の日でもストレスにならない。和室からガレージが見えるような設計としたため、主がガレージで作業をしていてもコミュニケーションをとれるようになっているのも、ポイントが高い。
いずれのプランにしても、家族と相談のうえガレージの計画をすることがベストだ。展示場ではアメリカンな雰囲気のガレージをコーディネートして参考になるように展示している。カナディアンスタイルのレストランも併設しているので、ぜひ立ち寄ってみよう。
下記はガレージのストレージ内に設けた作業台。実に簡易なもので、ホームセンターで購入した木脚に天板を設けただけだが、作業は充分に可能だ。「Straight」製のデスクに設けられたフックには、頻繁に使う17mmと8mmのメガネを用意。ウエスもストックしておくと便利だ。コスト○や工具専門店で販売しているショップタオルも、ストックしておくといい。