ミニカーの解像度がド偉いことになっている! トミカサイズで8,580円(税込)ながら、物を見て納得

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今一番ホットな1/64&3インチミニカーとは?

ミニカーは直訳すれば”小さいクルマ”となる和製英語。ただ小さいといってもその大きさには種類があって、現在は小さいものから1/64、1/43、1/18というのがスタンダードスケールである。今、その中で今一番熱い(=新製品のリリースが活発)のが、1/64である。1/64はわかりやすくいえばトミカサイズのミニカーなのだが、実際にはトミカは箱に合わせて車体の寸法が決定されるため1/64に統一されているわけはないので、ざっくりこのサイズを総称して3インチ(7.62cm)ミニカーと呼ぶこともある。

日本のコレクター向けミニカーメーカーの草分けも3インチ市場に参入

そんな3インチミニカーの世界で、今一番の注目を集めているのが、1978年に創業し、日本のハイエンド・ミニカー・メーカーの先駆けとして知られるメイクアップ社のTitan(タイタン)64ブランド製品だ。同社は1/43のアイドロンとヴィジョンという看板ブランドを主体としているが、昨今の3インチミニカーの好況を受けて、2019年にTitan64をスタート。その先兵として選ばれたのが、かのシンガー・ポルシェである。

メイクアップ社のミニカーはレジン製で、その多くは実車を3Dスキャンして、そのデータを元に3D CADを使って原型を設計するデジタルモデリング方式を採っている。昨今ではミニカーの設計も海外でのアウトソーシング化が進み、実車を見たこともないスタッフが設計を行うケースもあり、実車と見比べると「何かが違う」と感じさせられるミニカーも意外や少なくない。その点メイクアップのミニカーは、3Dスキャンや実車取材を行ったスタッフ(皆かなりのクルマ好きだ)が設計を行い、ミニカー化にあたって最も重要なスケールに合わせたプレスラインや面表現の最適化を行うことで、圧倒的なリアリティを実現している。

Titan64のシンガー・ポルシェ。レジン製のボディはウレタン塗料を使って彩色され、何と1台1台手磨きで鏡面状態にまで仕上げられている。内装も実車同様に塗り分けられ、たとえばレザーの質感などもツヤ加減を調整した塗料で表現される。そして、ほぼミクロの世界ともいえるが、ヘッドライトやドアハンドル、ミラーほかのメッキ部分はホワイトメタル製のパーツにクロームメッキをかけての仕上げ。ミニカーの世界では吹き付けに近い蒸着メッキがデフォルトなので、クロームメッキ仕上げは異例。ホイールも何とアルミ削り出しのリムとホワイトメタル製のディスク部分の組み合わせだが、これもコスパよりもリアリティを重視した結果だ。

またメイクアップのミニカーは車体だけでなく、パッケージングにもこだわりに満ちあふれている。ステッチが入り、真鍮製の車名プレートがセットされたレザー調の台座にアクリルのカバーが被さり、さらにそれがバックスキン調の布でくるまれた上で、専用の貼り箱に収められている。自分のコレクションにはもちろんだが、ポルシェ好き、ひいてはドイツ車好きのギフトとしても最適の逸品であると太鼓判を押したい。

取材協力:メイクアップ=https://www.makeupcoltd.co.jp/

文章=鵜飼 誠(modelcars編集部)/フォト=服部佳洋

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