後席はもちろん、ドライバーズシートも快適な仕様に
メルセデス・ベンツ日本は7月1日、 新型メルセデス・マイバッハSクラスを発表、先行予約の受付を開始した。なお、デリバリーは本年11月以降を予定しているとのことだ。
1921年から美しいスタイルと贅を尽くした室内空間による圧倒的な高級感で人々を魅了してきた伝説の名車「マイバッハ」。「究極の」「洗練されたラグジュアリー」を追求する威厳と風格を備えたブランドとして現代に蘇ったのが、「メルセデス・マイバッハ」だ。メルセデス・ベンツによる最新鋭のテクノロジーを備え、ゆったりとくつろげる室内空間にプレステージ感あふれるデザインとクラフトマンシップにより仕上げられた高級素材を随所に採用した、新しい高級車の形である。
「マイバッハ」の誕生から100年の時を経て誕生した新型メルセデス・マイバッハ Sクラスは、メルセデス・ベンツのフラッグシップであり、持てる最新技術の全てを 搭載した新型Sクラスのロングホイールベースモデルからさらにホイールベースを180mmすることで後席の居住性が格段に向上。また、リアドアの電動開閉機能やアクティブロードノイズキャンセレーション機能などショーファードリブンとしての快適性、静粛性を追求した最新技術の数々を採用している。さらに、レザーに施された専用のステッチや使用面積が大幅に増加したインテリアのウッドトリムなどにより、 ラグジュアリーを極めたアピアランスが特徴となっている。
エクステリアデザインは、クラシックな3ボックスセダンを基調に、フロントのショートオーバーハングとリヤのロングオーバーハングというセダンの伝統的様式に沿ったプロポーションを踏襲。クロームフィンを中央に配したボンネットやメルセデス・マイバッハ専用のフロントグリルは、荘厳とした雰囲気を醸し出し、縦に走る立体的なトリムが際立ったフロントグリルには、中央上部のクローム部分にブランド名の一部である「MAYBACH」の文字が刻まれている。またクロームで仕上げられたフロントバンパーのエアインテークは左右方向のボリュームを強調している。
サイドビューは、新型Sクラスよりホイールベースを180mm延長しているものの、乗降性の向上も図られたリアドアと、より垂直に近い角度のCピラーにより、バランスの取れたデザインとなっている。Cピラーにはサイドトリムに溶け込むフレームによって囲まれた固定型の クォーターライトと、このクルマの特別なステータスを強調するマイバッハブランドのエンブレムを配置しており、ドアハンドルは格納型とし、空力性能の向上とともに、シンプルでクリーンなデザイン性に寄与している。ホイールには20インチの鍛造のディッシュタイプアルミホイールが標準装備され、オプションで21インチの鍛造マルチスポークのアルミホイールが選択可能。また、フロントドアを開いた際に、 足元の地面にマイバッハブランドのエンブレムをLEDで投影するブランドロゴ プロジェクターライトが採用されている。
リアにはツーピース型コンビネーションランプを備え、内部にライトを追加するとともに、一部が動的に点灯する機能が与えられたことにより、夜間走行時には特有の見栄えを演出。リアバンパーとエキゾーストエンドも専用の意匠とし、落ち着きと重厚感のあるリアエンドデザインとなった。
今後オプションとして導入を予定しているツートーンボディカラーは、作業をカスタム塗装工場で実施し、ボディが通常の生産ラインに戻るまでに最長で1週間かかるという手の凝りよう。ツートーンカラーの塗装工程のはじめは、通常の塗装工程を使いトップコートとクリアコートを静電塗装したのち、カスタム塗装工場へ送られ、ここでボディシェル全体に手作業による研磨を施しクリーニングしてから難易度の高いマスキングの工程に移る。マスキングもすべて手作業で、位置決めやわずか4mmの分割ラインなど、熟練工による繊細な仕事が繰り返され、ドア部分の作業時には重りを使って荷重をかけて行るという。
インテリアは、デジタルとアナログとラグジュアリーの融合と調和が図られており、先進技術の象徴ともいうべき大型有機ELメディアディスプレイと高級素材や精巧なクラフトマンシップが、独特で上質な室内空間を作り上げている。
シートは新型Sクラスを踏襲した上で、ダイヤモンドパターンとダブルシームを加え、前席バックレストの背面は上質なウッドパネルとアンビエントライトを採用し、高級家具のような雰囲気。ファーストクラスパッケージ(4人乗り仕様)を選択した場合、後席を包み込むようにインテリアウッドトリムが配置され、高級感が演出されている。
一方後席では、マイバッハ Sクラスは新型Sクラスのロングモデルよりもホイールベースが180mm長くなっており、その延長分のすべてが後席の拡充に充てられている。後席左右のエグゼクティブシートは座面とバックレストを別々に調整することができ、バックレストのリクライニング角度は最大43.5度、もっとも起こした角度は19度に設定することが可能だ。リクライニングポジションにした場合、着座認識機能が誰も着座していないことを確認すれば助手席シートは自動的に前方へ移動し、バックレストは改良型のヘッドレストにより従来よりもさらに前方へ26度 倒れるようになり、後席から前方への視界が拡大。フットレストを助手席側背面に、レッグレストを左右後席下にそれぞれ設け、両者を使うと身体のほぼ全体を支える快適なリクライニングポジションとなる。
また、4人乗り仕様のファーストクラスパッケージを選択すると、後席が左右独立シートとなり、クーリングボックス、格納式テーブルやシャンパングラスも装備される。
さらに、サスペンションやパワートレインのセッティングを切り替えることが可能なDINAMIC SELECTには、新たに「Comfort」モードよりさらに快適性を重視した「MAYBACH」モードが設定。後席ドアには電動開閉機能も標準装備された。
高い静粛性を実現した新型Sクラスに加えて、リアホイールハウス周辺部に発泡吸音材を追加、Cピラーのクォーターライトに使用する合わせガラスの厚みを増し、さらにノイズ軽減タイヤを採用するなど、追加のノイズ低減技術が採用されている。また、アクティブノイズキャンセレーション機能を使用することにより、さらに静かな室内空間を実現。この機能は ヘッドフォンのノイズキャンセリング機能に似た仕組みで、逆位相の音波を発生させて主に不快な低周波ノイズを低減してくれるものだ。後席にはSクラス同様、左右に「SRSリアエアバッグ」を搭載し、乗員の安全性の向上が図られている。これは万が一の事故の際、膨張させることで表面積を増加し、乗員の傷害の可能性を減らす「SRSベルトバッグ」および座面の前部を跳ね上げることで前面衝突時の乗員の潜り込みを防止する「クッションエアバッグ」との組み合わせにより、一層後席の安全性が高められた。
一方、フルアクティブサスペンションのE-ACTIVE BODY CONTROLも用意された。これはAIRMATICのシステムをベースに4輪それぞれに48V対応のアクチェーターを追加、スプリングレートとダンパーの減衰力を個別制御することができるもので、ロードサーフェススキャンはステレオカメラで前方の路面のアンジュレーションを モニターし、あらかじめダンパーの減衰力を演算して準備、これにより タイヤへの初期入力から適切に減衰させるとともに、ばね上にその振動を極力伝えずフラットな乗り心地を提供できる。またダイナミックカーブ機能のCURVEでは、コーナ リング時のロールによるばね上の傾きを修正し水平になるよう制御してくれる。
また、衝突安全性に寄与する機能も採用されており、側面衝突の可能性があるとクルマ側が判断すると、運転席/助手席のバックレストのサイドサポートに内蔵されたエアクッションが膨張してドアと乗員の間をサポート。さらにE-ACTIVE BODY CONTROLが瞬時に車高をあげ、頑強な構造部分であるサイドシルでも衝撃力を受け止める。
大型なボディに四輪駆動システムの採用は、後輪駆動と比較して小回りが効きづらくなるというデメリットを伴うが、今回後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」を採用することで、そのデメリットを解消。駐車の際などの非常に低速な範囲では最大約10.5度リアホイールを傾け、駐車時の小回りや、アクティブパーキングアシスト使用時に縦列駐車から発進時の斜め前方への移動などの利便性を高めめている。約60km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大4.5度傾け、日常の走行シーンでの取り回しを向上させ、約60km/hを超えると、リアホイールをフロントホイールと 同じ方向に最大3度操舵することで、走行安定性を大きく高める。
パワーユニットは2種類を用意。580 4MATICには3982ccのV型8気筒ツインターボエンジン「M176」に48V電気システムとISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせ、エンジン単体の最高出力は503Pps(370kW)、最大トルクは700Nmとなるものの、ISGにより20ps(15kW)と200Nmを短時間発生することも可能だ。一方680 4MATICが搭載するのはメルセデス・ベンツのフラッグシップエンジンとも言える5980ccのV型12気筒ツインターボエンジン「M279」で、こちらは最高出力612ps(450kW)、最大トルク900Nmという余裕あるパワースペックを備えている。いずれのエンジンも、9G-TRONICのトランスミッションと4輪駆動システムの4MATICを組み合わせ、必要以上にエンジン回転数を上げることなく快適な走行性能を 実現しつつ、前後の駆動力配分を常に最適化しているという。
都内で開催されたメディア向けの発表会では、代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏が登壇し、プレゼンテーションを行った。
ラインアップ及び価格は以下の通り。
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