圧倒的なパフォーマンスを持ちながらも日常をこなせる911ターボと、スーパースポーツにしてGTの名を冠するマクラーレンを比較してみた。
テイストのまったく異なる2台のグランドツーリングカー
ポルシェ911ターボSカブリオレこそは、私にとって2020年に乗って一番インパクトがあった1台である。動力性能、刺激性、快適性などあらゆる要素がずば抜けていて、本当に圧倒されてしまったのだ。クーペはまだ未経験だが、カブリオレだからこそスゴさが強調されたのも、また間違いないだろう。とにかく911ターボSには、ひれ伏すばかりである。
これと戦えるクルマ、ライバルになりうるクルマはと考えて、浮かんだのはマクラーレンGTだった。マクラーレンにとって新ジャンルへの挑戦となるGTは、いつもながらの高性能ぶりに加えて、その名の通り快適性、実用性まで考慮したモデルであり、911ターボSとは出自も形態も異なるけれど、案外ガチンコのライバルかもしれない。そう思えたのだ。
最高出力650psの911ターボSに対して、GTは620ps。その30psの差など普段は感知できないが、あらゆる場面でターボらしさを隠そうとせず、むしろその魅力、迫力を思い切り発散させる911ターボSに対してGTは、いざ高回転域まで回せば、炸裂するパワーで身体を仰け反らせるのだが、普段の振る舞いはもう少しジェントルに躾けられている。
乗り心地も、やはり両車非常に良いのだが、テイストはまるで異なる。アルミ主体の金属製かCFRP製かというボディの差が大きそうだ。硬いけれど強靭なボディがすべて受け止める911ターボSに対して、タッチはドライだけど脚の動きはしなやかなGT……表現は難しいが、印象はそんな感じだろうか。
実用性はどうか。911ターボSはフロントに大容量のトランク、そして後席まるごとの積載量がある。しかも試乗車のように実用性そのままのカブリオレまで選べる。一方のGTも、やはりフロントにトランク、そしてリアにはゴルフバッグをサイズによっては2セット縦積みできる大容量のスペースがある。アクティヴな趣味人なら「おっ!」と目を瞠るはずだ。
スキーだって2セット積めるというから雪山を目指したくなるが、GTは後輪駆動のみ。911ターボSはフルタイム4WDだけに、行動範囲で言えば、こちらに軍配が上がりそうである。
いずれも高い実用性を備え、それでいていざとなれば圧倒的なパフォーマンスを発揮するこの2台だが、使い勝手だけでなく実用域の振る舞い、さらにはドライバーに訴えかける部分に至るまで、実際に比較してみると何から何まで違った個性を持っていることが見えてきた。よって勝敗をつけるのは野暮というものだろう。おそらくは自分の好みやライフスタイルが確立されている人ほどこの2台、迷うことはないに違いない。
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