TSI+DSGのパワートレインが示す3代目ヴァリアントのシルエット【VW GOLF FAN Vol.13】

2021/01/23 12:00

※この記事は2007年9月に発売された「VW GOLF FAN Vol.13」から転載されたものです。

ファミリーの濃厚なエッセンスを詰め込んだゴルフ・ヴァリアント

ゴルフⅤファミリー、最後の車型バリエーションといわれるワゴンモデルが登場。名称を新たに「ゴルフ・ヴァリアント」と改め、国内デビューを果たした。ここでは、2種類のTSIユニットを搭載するなど、ゴルフⅤファミリーの持つ濃厚なエッセンスを詰め込んだ新型ヴァリアントの試乗リポートをお届けしよう。

ゴルフ原理主義者には認められない!?

’93年に発表されたゴルフIIIのワゴンから数えて3代目となるVのワゴンが、その名を“ヴァリアント”と変えて登場した。名を変えたといっても、これがヨーロッパでの本名だ。日本導入の’95年当時、日本はワゴンブームの真っ只中にあったから、VGJはより分かりやすいワゴンというネーミングを採用したという経緯がある。ともあれ、このゴルフのワゴンは、これまでに世界中で約120万台を販売。我が国でも輸入車コンパクトワゴンセグメントで常にトップクラスの販売実績を誇って、初代の上陸以来、累計で約8万台が売れているという。

インパネ回りのデザインは、基本的にセダン(ハッチバック)のそれを踏襲。アルミのパネルを6時方向のスポークにあしらった3本スポークステアリングなど、その内容はゴルフGT TSIに近いものとなる。写真は上がコンフォートライン、下がスポーツライン。

そんな人気モデルの3代目は大きくて立派な、よりスタイリッシュなボディを持つ。2代目に比較すると、全長は165mm増の4565㎜、全幅は50mm増の1785mm、全高は20~50mm増の1530mmとなっている。もちろん、Vがベースだから、ホイールベースは2575mm(60mm増)。4.5mもの全長はセダン(ハッチバック)のそれを300mm以上延長した格好で、それもあってか、ラゲッジスペースは通常時505L、最大1495Lにもなる、歴代のゴルフのワゴンボディ最大のもの。
日本市場に用意されたエンジンは、ディーゼルが主流となるヨーロッパとは違って、ガソリン2種のみ。現段階、ベーシックのコンフォートラインにGT TSIのスーパーチャージャー&ターボチャージャー付き1.4L(170ps)、上級グレードのスポーツラインにGTIのターボチャージャー付き2.0L(200ps)が搭載される。これらに組み合わされるミッションは当然のことながら、いま最も効率がよいとされる、VW自慢のDSGだ。
VWファンならば、こうした概要だけでも、魅力的なクルマであることが理解いただけるだろう。

シートはコンフォートラインがコンフォートシート、スポーツラインがスポーツシートを標準とし、後者では写真のレザースポーツシートをオプションで選択できる。このレザーシートは8ポジションの調整機能付きパワーシートとなる。

しかし、このヴァリアント、ゴルフ原理主義者からはイチャモンがつきそうだ。まず問題(?)は、結構スタイリッシュになってしまった点。初代、2代目は、ワゴンとしての実用性を強く意識したデザインだった。「まるでバンみたい」と陰口を叩かれた比較的立った初代のDピラーは、2代目でも受け継がれ、そのリアビューのプレーンさが他のワゴンにはない魅力だった。ところが、今度のヴァリアントは「まるでクーペみたい」に寝てしまった。
その外観がジェッタ似あることも、ゴルフ原理主義者には抵抗があるに違いない。ヘッドライトやクロームのワッペングリル、それにサイドに流れるキャラクターラインはジェッタとほとんど変わるところなく、全体に光り物が少なくないことも、質実剛健をモットーとするはずのゴルフとは異なる。これはゴルフなのか? いずれにしても、IIIのワゴンが生まれた時代とは、マーケットの様相も含め背景がまったく違うといえばそれまでなのだが……。

リアシートを倒した際にフロアがフラットになるよう、ゴルフ・ヴァリアントのラゲッジ床は2重構造になっている。フロア下には小物を収納できるスペースが設けられ、さらにその下にスペアタイヤが収まる。

まぁしかし、このクルマ、実際に触れ、乗ってみると、きわめて濃い内容を持っていることが分かる。ファミリーカーとしての資質が抜群といえて、それは驚くなかれ、ゴルフ原理主義者もきっと舌を巻くに違いないと思わせるほどのものなのだ!

ラゲッジは通常の状態で505L、リアシートを畳むと最大で1495L(ISO測定値)の容量を得られる。この容量は、先代に比べ、通常時で+45L、最大時で+25Lとなる。また、写真下のように、リアシートを倒した時にフロアがフラットになる構造も特徴。ホイールハウスの張り出しも抑えられており、スクエアなスペースが得られる。

VW GOLF FAN Vol.13から転載

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